今回はレンジ内トレードをご紹介いたします。
↓こちらは5分足チャートになります。
●状況判断
ダラダラと上げ続けている中、トレンド力が弱いのでレンジの疑いがあったが1番からの上昇が出来た頃にはトレンド入りするかと思いましたが、あっさりと25EMAを突き抜けて1番まで下落。2番を見た時点でやはりレンジという判断がより強まりました。
●エントリーに至った流れ
今回のレンジはダラダラと上げてきている中でのレンジなので少し買いが有利の中、目立った安値である1番に差し掛かった時にダブルボトムの形成に入りました。
この時に絶対に見ておきたいのが2番に差し掛かった時の陰線と陽線の大きさです。
これは2番付近に差し掛かった時の陰線の実体を覆いかぶせるように陽線がありますね。(白=陰線 オレンジ=陽線)
これはリバーサルと言われるプライスアクションでの反転サインの一つですが大事なのは厳密な形や名称にこだわるのではなく、売りと買いどちらが強いのかという目視による簡単な判断が重要です。
2番に差し掛かった時、それまでこの下落の中では陽線がたったの2本しか無くしかも凄く小さかったのが急に大きな陽線が出てきました。しかも周りの陰線は特別大きい実体の物もありませんね。
マーケットは2番を安値と見て上昇しようとしているのはローソク足を見るだけでも伺え、さらにこの日はダラダラと上げ続けているという背景もあります。
この時私はレンジと判断していますがレンジにもいくつか種類があり、上げて来た後でのレンジなのか下げて来たレンジなのかでその後のレンジトレードの有利不利は多少あります。(もちろん重要な場面ではプライスアクション分析(値動き)で決めますが)
そして今回のチャートではレンジ内で何度も意識されている点を結んで出来るトレンドライン(意識されているライン)もあります。
●仕掛け時の根拠
- レンジ内トレードでも上げて来てからのレンジであり買いが若干有利
- 2番付近では売りの力より買いの力が強いのは実体の大きさからでもハッキリわかる
- 高値から2番に至るまでの売りの流れは1番からの上昇力より弱く売りの勢いは強すぎない
- 2番地点でダブルボトムの形成に入った
プライスアクション分析といっても常にローソク足一本一本を見ている訳ではなく、まずは重要な価格水準に達するのを待ってからそこから見始めたりします。
そしてこの仕掛けで最終的な買いに繋がるプライスアクションはこちらです。↓(上記で上げたような状況などの背景があって成立する物)
1:トレンドラインにタッチした後に売られたが2番の足でラインを1p程度下抜いただけですぐにまた大きく買われた。
2:2番の終値はトレンドラインのすぐ手前に張り付くように終わっておりこれは買い勢の意思表示でもある(実体で確定するというのはそういう意味にもなる)
3:これが最も強いサインで、再度トレンドラインから売られたが安値ラインを超えられず、また強く売りの力を返すように買われた。さらに確定足でラインも上抜けた。
これは何もハーバード大学を卒業するような天才的な頭脳を持ち合わせている必要は無く、重要なラインに来た時のローソク足を見ればマーケットの反応が分かるのは少し学べば誰でも理解出来るようになります。
ちなみに2番と3番の2本の足の組み合わせはこれ単体で強気サインです。(売りなら逆でハッキリとした実体の陰線があり、次足では上髭陰線で安値付近で終わっている事)
サインというのはあくまでキッカケ作りに過ぎず、サインが出たから勝率が高いのではなく、その他状況を組み合わせる事で効果を発揮してきます。
ここでお話しているプライスアクション分析は投資の本質であり王道です。何故ならテクニカルを用いた投資というのは値動きから分析する物であり、値動きを数値化したインジケーターを分析する事ではありません。
よってあなたが相場で利益を上げたいのでしたら値動きに集中してください。そこに必要なのは根気と熱意でありIQ180といった天才的な頭脳は必要ありません。
レンジ内トレードにおける目標値の出し方
レンジ内トレードを選択した場合、かなり使える反転ポイント=利確をする所をお教えいたします。
●1:反転サインがあればそのライン(レジサポライン・ネックライン)
(ちなみにレンジ内で反転サインが大きくある場合私はエントリーしないケースが多いです。その視点でもう一度画像を見てみてください。今回は目立った強い反転サインが無い状態で落ちてきていますよね。だから買えたといっても過言ではありません。)
●2:直近極値における最初の反転足のひげ先
どうして最初の反転足が重要なのかお教えしますね。
これから先は一気にあなたの脳内が成長してトレードに対する理解度が加速していきます。
まず転換サインというのは種類こそ色々あり、チャートフォーメーションでは下記のような形が代表的な例です。
これらは転換サインですが実はひとくくりにクラスター=転換サインと認識しても問題はありません。
転換サインは全てダブルトップであるというトレーダーがいますが、私もある程度そう思っていますし多くがそこにまとめられます。
ただ解釈の問題であって、ようは価格がもみ合って転換したという事実が重要であり転換サインの一つ一つの名称や強弱に神経質になっても意味は無いです。
(ダブルトップよりトリプルトップの方が強いとは一概に言えないという事です)
例えばテクニカルアナリストがテレビのニュースでダブルトップでしたら「上値に2回トライして弾かれた」と言うでしょうしそう言っています。
そして三尊では「一度価格更新はしたがその後再度上値トライしたが失敗し、今度は届かず落ちて来た」という事でしょう。
この内容に意味はないんです。
転換サイン自体に転換しやすい形というのはなく、常に状況と照らし合わせる事で初めて機能するんです。
(例えば転換サインが周りの状況と比べて大きかったり、または上昇トレンドで価格が一度落ちたが重要な安値付近で下げ止まりが出るなどもそうです。状況と合わせて使ってください。今回の例はそれに似ていますね。)
転換サインは全部クラスターに集約されている
私は転換サイン=クラスターと解釈しておりますしテクニカル的にもそう言えます。(話の便宜上これは三尊ですね、ダブルトップですねと表現しています。そうしないと初見さんには伝わりづらいからです。)
話を戻しますがレンジ内における反転候補でよく使われるのが極値における最初の反転足でしたよね。
これは下位足で見ると反転サインのネックラインにあてはまるケースが多いんです。
↓もう一度5分足の3番の横ラインと丸部分を見てください。
↓1分足で見てみましょう
はい、ダブルトップのネックラインになっていますね。そしてこれは下位足を見る必要はありません。もう一度言いますが転換サインはクラスターに集約され、転換サイン単体だけでは強いも弱いもありません。
私たちが最も安全に利益を抜き取る方法はエントリーした後、最も近い最初の反転ポイントで誰よりも先に勝ち逃げする事であり、「ここは抜けていくんじゃないか?」なんて根拠のない予想をビール片手に傍観する事ではありません。
これはレンジ内における反転候補として凄く使えますので、出来るだけ利益を取って勝ちたいという方はレンジラインのギリギリまでポジションを保有するのではなく、最も勝率が高いこの利確がおすすめです。
↓反応している
これはトレンドの時には上手く機能しませんからトレンドとレンジの判断は重要です。(トレンド力が強ければ価格は更新していくものです。)
レンジ内でスルー場合の例
これは一概に全てが当てはまる訳ではありませんが、汎用性が高いレンジ内における判断例・勝率が高いとは言えないスルーする例をご紹介します。
上記でもお伝えしましたが、転換サインは周りの状況・サイズ感が重要になってきます。
例えば上記チャートが下記のような形だった場合は私はスルーしていました。
1:大きなダブルトップがレンジの大部分を占めているので上がりづらい(上がってもネックラインですぐに弾かれるでしょうと思われて買いが入ってきづらい)
2:ネックラインが近いとリスクリワードが悪い。
ちなみに先ほどの実際のチャートでは
- 目立った転換サインは5分足では確認出来ない上に一応は当日上げて来た後のレンジだから買いが少し有利
- リスクリワードも良い(1:2トレード)
- 上げどまりサインよりも下げ止まりサインであるダブルボトムの方がハッキリしていた
このような状況の中でプライスアクション的にも良かったのでエントリーは出来ました。
補足
snsで発信すれば「1番のラインなんてリアルタイムで引けないじゃん!結果論乙!」なんて負け続けて思考回路を停止してしまった方達から批判がきそうですが、ここまで読まれたあなたは勤勉で真面目にトレードに励まれている方だと思います。
是非勝てるトレーダーに一日でも早くなってほしいので補足させて頂きますね。
1番のラインは別に必要ありません。あればわかりやすいというだけです。(確定足で重要な安値を下回ったのか)
そしてマーケットがどこを高値・安値と決めるのかなんてのは誰にも分からない事。
ただ重要な・言い変えれば目立った高値や安値というのはそれだけで世界中の投資家の目を引きますし、私たちが良い機会を待つ方法の代表格が高値・安値なんですね。
もちろん1番にラインを引いてそこで反転するなんて思ってませんよ。ただ直近で目立った安値であるのは火を見るより明らかですよね。
プライスアクション分析の大半は重要な価格帯に来るまでやる事はありません。そして1番ラインでマーケットが反応しだしたのを見て細かい分析に入ります。
- ダブルボトムを形成し始めた
- 急に強い陽線が出始めた
- トレンドラインで何度も売られてきたのに安値更新しなくなった
- 最終的に実体の陽線でトレンドラインを抜けた時、よく見たらこの足は一度大きく落ちたのにラインを超えられずに反転上昇した所で確定した(ちなみにこういう足の事をシグナル足といい、プライスアクショントレーダーにとって最高のシグナル・サインになります)
=マーケットが1番を安値と決めて上にブレイクした可能性が高い
あくまで例ですが、このようにトレードを組み立てていきます。全て一本一本の足を分析なんてしませんし疲れて出来ません^^:
沢山のセオリーをこのサイトで学んでいってくださいね。