FXにおいて今買いが有利なのか売りが有利なのかといった判断はとても重要です。
買いが有利な状況では買いを考える事で安定した勝率が期待出来ます。
ここではFXにおける汎用性の高いトレンド判断方法や、ここでしか知れない再現性の高い分析方法、並びに最も確かなトレンド判断方法をご紹介いたします。
3本のMAを使ったトレンド判断
単純移動平均線である通称MAを使用したトレンド判断は汎用性が高くトレード初心者の方にもオススメです。
↓赤ライン50SMA 紫ライン100SMA 白ライン200SMA
↓3本のMAが全て右肩上がりになっており、価格が全体的に見て高値と安値を切り上げている状態では上昇トレンドと簡単に判断する事が可能です。
そしてこの3本のMAを使ってトレンド判断をする場合は、各MAの空間の広さを見る事で視覚的にもトレンドの強弱を見る事が出来ます。
MA同士の空間が広がっている場合はそれだけトレンドが強くなっているという事を表しております。
そしてこの3本のMAが全て右肩上がり、もしくは右肩下がりになっている状態の事をパーフェクトオーダーと言います。
トレンドフォローをベースとした手法でトレードを行う方は、MA同士の空間がはっきりとある所でのみトレードを行う事で有利な状況を選んでトレードを選択する事が可能です。
又パーフェクトオーダーはMAの先端の向きを考慮せず、順番だけが条件を満たしたらパーフェクトオーダーと判断するのも問題ありません。
↑パーフェクトオーダーの条件を満たしたポイント
上から順に赤ライン50SMA 紫ライン100SMA 白ライン200SMAが買いのパーフェクトオーダー(設定数値が低い物が上から順に並ぶ事)
↓売りのパーフェクトオーダーなら順番は逆で上から白ライン200SMA 紫ライン100SMA 赤ライン50SMA(設定数値が高い物が上から順に並ぶ事)
MAを複数本使用したトレンド判断のデメリット
移動平均線(MA)というのは遅行指標とも呼ばれています。(遅行指標とは価格が確定してから確定する物であり、常に価格の後から出来るものです。)
よって3本のMAだけを使用したトレンド判断のデメリットは二つあります。
- トレンド初動は捉えられない時が多い
- トレンド転換の判断は時にかなり遅れる時がある
この2点に気を付けます。
↑パーフェクトオーダーになる前から高値と安値を切り上げているので、高値と安値の目視による判断ではだいぶ前から買いの流れだったケース。
↓パーフェクトオーダーが崩れる前に価格は安値を更新しており、パーフェクトオーダーが崩れる前から上昇トレンドは終わっている可能性があった。
MAは遅行指標なので常に遅れて表示されますが、それでも初心者さんは最初、高値や安値を認識するのが難しいのでトレンド判断としてこの3本のMAを使った分析は汎用性が高く多くのトレーダーに利用されています。
ダウ理論でトレンド方向の判断
トレンド判断で再現性が比較的高いのはダウ理論と言われるもので、これは高値と安値を見て共に切り上げている場合は上昇トレンド。
逆に高値と安値を切り下げている場合は下落トレンドと定義する事が出来ます。
このように図で見ると最初は分かりやすいのですが、実際にチャートを見てみるとどれが高値でどれが安値なのか、人それぞれ解釈が異なります。
↓例えばこちらはこのように高値と安値を見ている人もいれば
↓このように高値と安値を認識する人もいます(上下共にまったく同じチャートです)
高値と安値の認識の仕方についてはダウ理論の中で定義化されておりません。よって再現性のあるトレンド判断をしたいのであれば各々である程度明確に高値と安値の認識について決める必要があります。
(例えば今日のチャートを見て「こことここが高値と安値だ!っと判断しても、1年後に今日の相場を振り返った時にまったく違う認識で高値と安値を出していたらそれは再現性がありません。トレードで安定した利益を上げて行くためには分析における再現性の高さというのがとても重要になってきます)
ここで当FXドラゴで推奨しているダウ理論における高値・安値の認識方法ですが、ズバリローソク足の終値をベースに高値と安値を認識する事がおすすめです。
そうする事でトレンド判断における再現性はほぼ100%になります。(この高値と安値の認識については世界で定義化されている訳ではありませんから、これが優れている・これはダメだというのも無いのです)
再現性100%のトレンド方向の判断
オレンジが陽線・白が陰線になります。
↓これを陽線・陰線の確定足でラインを結ぶとこのように定義化する事が出来ます。
高値は陽線の終値・安値は陰線の終値に合わせます。(ヒゲは無視します)
これをトレンド判断するならば下記のようになります。
3番まで上昇トレンド。1番が4番を下抜いた足が確定したら一旦レンジ入り。
この時戻り高値を付けて1番を再度下抜くか(3番の価格を上に超えない範囲で陽線が出た後に1番を下抜くという事)2番が見えたら押し安値(陰線を作ってから)上抜くまでは大きく見てレンジと判断出来ます。
上記チャートではその後6番で2番を上抜いたので1➡2➡5➡6という波形を大きく見た3波動が完成したので再度上昇トレンド入り。
よって分かりやすく言いますと
- 1番の足が確定するまでは上昇トレンドと判断出来た
- 4番を下抜く1番の足が確定した時に一旦レンジ入りしたと判断出来た
- 6番を上抜く足が確定した瞬間に再度上昇トレンド入りしたと判断出来た
このようになっています。
これは再現性100%のトレンド判断なので、これで行うと決めた日からはトレンド方向の判断において迷いが生じる事はありません。
又、1分足~30分足といった分足では簡単に転換しますから4時間足以上の時間足でトレンド判断する事をオススメいたします。(デイトレードなら4時間足でトレンド判断がかなりおすすめ)
確定足をベースとしたトレンド判断のデメリット
どんな手法や分析方法にも必ずデメリットはありますが、ここで紹介した確定足ベースのトレンド判断でのデメリットはトレンド力まではこれだけでは測れないという事です。
トレンドには強いトレンドと弱いトレンドがあります。
よって目視で強弱を図るか、もしくは最初にお伝えした3本のMAを合わせて表示させ、その空間を見てトレンド力を図るのもおすすめです。
これは両者のデメリットを補っており、トレンド転換やトレンド入りの判断は確定足ベースで引いた自分のラインで判断。
トレンド力は3本のMAの空間で見ていくといった使い方も出来ます。
転換してもすぐにトレンドが始まるとは限らない
ダウ理論は基本的に仮に上昇トレンドでしたら前の安値を下抜くまで上昇トレンドと定義されています。
↓赤ラインを下抜くまで上昇トレンド
そしてこれはエリオット波動論の一部でもあるのですが、3番が1番の高値を抜いたらそれは3波動と言います。(1➡2➡3で3波動)
トレンド転換も人それぞれ定義がことなりますが、赤ラインをただ抜いただけでは下落トレンドとしては見ず、まずは一旦レンジ入りしたと考えた方が良いです。
↓再度画像
私は先ほど1番が4番を下抜いた足が確定した段階でレンジと判断とお伝えしました。
上記画像ではたまたまそれが正解でその後見事に横ばい気味になりました。(1番から黄色ラインを上抜くまで)
相場において実は8割はレンジであるという言葉もありますが、実はトレンドって少ないんです。
大まかな相場の流れとしましては
- レンジ➡上昇トレンド
- 上昇トレンド➡下落トレンド
- 上昇トレンド➡レンジ➡下落トレンド
- レンジ➡下落トレンド
このようなイメージを持ってください。
ダウ理論的に前回の押し安値を下抜いたからと言ってすぐに全部が全部下落トレンド入りする訳でもないんです。
よって私はこの分析でトレンド方向の判断をする時は、重要な転換ラインを抜けた後に3波動を作って初めてトレンド入りと判断しております。
4番を下抜いた足が確定したら一旦レンジと判断。その後5番の安値を下抜いた足が確定した瞬間に下落トレンドと定義。これが最も無難な判断です。
↓もう一度ご覧ください
1番が4番を下抜いた時にはレンジと判断。
そして6番の所で2番を上抜いた時に直近では1➡2➡5➡6の3波動を作って上昇したので自信を持って再度上昇トレンド入りしたと判断する事が可能です。
(余談:高値と高値の間にある最も安い価格が押し安値になります。よって5番の右に目立った安値が二つありますがこれは転換に繋がる安値としては考えません)
ここまで大丈夫でしょうか?少し難しいですよね^^
でも大丈夫です。みんな最初は少し「んっ?」ってなりながら何度も読み返す事で少しずつ理解出来てくるものです。