初心者でも分かる一目均衡表のわかりやすい使い方と見方

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一目均衡表(いちもくきんこうひょう)とは昭和初期に細田悟一氏が約2,000人のスタッフと7年をかけて完成させ、「相場は買い方と売り方の均衡が崩れた時に大きく動くので、どちらが優勢かが分かればよく、それを一目で知ることができる」という背景の元考案された相場分析手法です。

この一目均衡表はとても素晴らしいインジケーターであり、世界でも高い支持を得ています。

ここではしっかりと使いこなせるよう分かりやすい解説と使い方をご紹介いたします。

一目均衡表の概要・全体像

FXや株式相場のチャートでもほとんどの会社に一目均衡表は標準で入っています。

まず最初に各ラインの名称を簡単に覚えていきましょう。(一度に全て覚えようとすると混乱するので深く考えなくても大丈夫です)

↓一度見やすいようにローソク足は非表示にしてあります(ラインの色は見やすいよう変更しています)

1と2はそれぞれ先行スパン1・先行スパン2と言います。

上昇トレンド中は先行スパン1が上に来て、下降トレンドの時は先行スパン1は下にきます。又先行スパン2は平坦な動きになりやすいのでそこを抑えておくと区別もしやすいです。

先行スパン1と2・その間を含めて抵抗ゾーンになりやすいと言われており、正式な名称ではありませんが一般的に雲に似ている事から雲と呼ばれています。(黄色雲は下降トレンド・紫雲は上昇トレンド)

一目均衡表の計算式

一目均衡表は理解に苦しむ難しい計算式は一切使われておらず、足し算や割り算といったシンプルな内容になっています。

  • 転換線 = (ローソク足過去9本分の最高値 + 過去9日間の最安値)÷ 2
  • 基準線 = (ローソク足過去26本分の最高値 + 過去26日間の最安値)÷ 2
  • 先行スパン1 = (転換線 + 基準線)÷ 2 をローソク足26本先に描画
  • 先行スパン2 = (ローソク足過去52本分の最高値 + 過去52本分の最安値)÷ 2 をローソク足26本先に描画
  • 遅行スパン = 現在の価格の終値をローソク足26本過去に描画

これは名前の通り先行スパン1と2は未来に半値を描画しており、遅行スパンは単純に現在の価格を過去に描画しています。

均衡点の考え方

冒頭でも記載いたしましたが、「相場は買い方と売り方の均衡が崩れた時に大きく動くので、どちらが優勢かが分かればよく、それを一目で知ることができる」という背景の元考案された相場分析手法が一目均衡表です。

買いと売りのバランスが取れている、均衡している所は単純に半値にあるというのが大前提となっています。

分かりやすい例えをここでは中期線である基準線をベースに用いて解説いたします。

例えば上昇トレンドの時、価格が基準線よりも上にある状態ではまだまだトレンドの勢いは続いており、買いが有利というのが簡単にわかります。

直近の上昇ポールに対して1~2割程度戻したくらいでは、そのトレンドの勢いが衰えてきたと考える投資家は少ないです。なので買いが集まりやすい状態にあります。(買いが有利な状況)

↓逆に価格が基準線よりも大きく下回ったら、一般的には「もうそのトレンドは終わった」「回復するのは難しいんじゃないか」って思われます。(6~8割りの押し)

よって売りを誘う流れになってきています。(売りが有利な状況)

↓では基準線の所に価格がある時はどう考えるべきなのでしょうか?

基準線に価格が来たという事はその後下記の2パターンが考えられます。

  1. 基準線を目安に価格が再度上がっていく
  2. 基準線を目安に価格が下落していく
おさらい:基準線よりも高い位置に価格がある時は買いが有利で、基準線よりも低い位置に価格がある時は売りが有利。

ではちょうど基準線に価格が来た時は、その後上昇する確率と下降する確率はイコールであるというのが一目均衡表をマスターする上で理解しておくべき重要なポイントです。

よって一目均衡表は何を意味しているのかと言うと、それぞれが対象期間の買い勢と売り勢のバランス・均衡点を表しているんです!

一目均衡表の使い方~分析の仕方

  • 転換線はローソク足9本分という短期のトレンドを表している
  • 基準線はローソク足26本分という中期のトレンドを表している
  • 先行スパン2はローソク足52本分という長期のトレンドを表している

そしてそれぞれのラインの位置は対象期間の半値(均衡点)を表しています(これを相場水準とも言います)

主な使い方は三つあります。

1:勾配は対応した期間のトレンドの方向性を示している

下記のチャートでは短期(転換線)と中期(基準線)と長期(先行スパン2)の先端は全て上向きになっていますね。

このように上から短期中期長期と並んでおり勾配が右肩上がりになっている時は上昇トレンドと判断する事が出来ます。

それぞれが特定期間における売買勢力の均衡点を示している

  • 短期(転換線)の均衡点
  • 中期(基準線)の均衡点
  • 長期(先行スパン2)の均衡点

これらが視覚的にわかるようになっています。

価格との位置関係でそれぞれ買いと売りどちらが優勢かが分かる

現在の価格の位置と照らし合わせてその位置関係を見る事で、買いと売りどちらが強いのかを知る事が出来ます。

上記チャートで分かる事は

  • 短期的には売りが有利(価格は転換線の下にある)
  • 中期的には基準線を下抜いたので売りが有利になりつつある
  • 長期的には若干買いが有利

という事が一目で分かります。

先行スパン2と現在の価格を照らし合わせる時は先行スパン2の最も先端にある位置と照らし合わせてください。

なぜなら先行スパン1と2は半値を未来に描画しているので、現在値にある先行スパンは過去の物だから比較にはならないという考えです。

均衡表の好転と逆転

相場が上げ下げすると短期の転換線と中期の基準線はクロスします。(移動平均線であるMAで例えるならゴールデンクロス・デッドクロスがそれに似ています。)

これは一目均衡表でも売買サインの内の一つなのです。

↓わかりやすいよう転換線と基準線のみ表示しました

転換線が基準線を下から上に抜けたのでこれを好転と言い買いサインとなります。

これはもちろんダマシというのもありますが、ダマシを見抜く方法はあります。

●ダマシサインを見抜く好転前の条件

  • 最安値からローソク足数本が経過している
  • 数本の上げを経ている
  • 押しを作って新高値を付けている
  • 窓を開けている上昇があればさらによい(FXに応用するならば大陽線・パワーバーが相当)

実は凄い遅行スパン

一目均衡表においてはこの遅行スパンが極めて優秀というトレーダーは多いです。中でも一目均衡表の遅行スパンのみ表示している人もいるほど。

今一度おさらいをします。遅行スパンとは単純にローソク足の終値を現在の足を含め26本前に描画しているだけの物です。

↓わかりやすいよう遅行スパンのみ表示しております。

ではどうしてこの遅行スパンが優れているのか?一体コレで何がわかるのかを解説いたします。

遅行スパンの好転や逆転は買いと売りの含み益・含み損が分かる!

下記のチャートではローソク足の上に遅行スパンがありますので、遅行スパンの位置から買った人達は俯瞰的に考えて全体的に利益が出ている人が現在では多いというのが視覚的にハッキリとわかるようになってきます。

●遅行スパンの買いサイン(好転)

遅行スパンがローソク足を下から上抜けた時は買いサインであり、同時にそれはローソク足26本前から売った人達が含み損を抱え始めたという事を表しています。(凄く重要)

これは過去のチャートなので遅行スパンはずっと描かれていますが、リアルタイムでは上矢印部分のローソク足の時は好転サインが出た所より先の遅行スパンは表示されていません。

明確なトレンド以外では、ローソク足を見るだけでは直近で買いが有利なのか売りが有利なのかという判断には困るシーンが多々あります。

しかしこのように遅行スパンのサインを見れば、好転サインが出た所からそれぞれ売った人達よりも買った人達の方が平均的に儲かっている・買いが優勢になってきたという水準が上矢印のローソク足近辺からという事で明確に表示されているのです。

売りサインはこの逆で遅行スパンが上から下へローソク足を下抜けた所が売りサイン(逆転)です。

そして実は単純移動平均線であるMAも遅行スパンも着目している点は一緒で、例えば遅行スパンの逆転サインは25SMAが下向きになった事も表しているんですね。

転換線と基準線のクロスはダマシが多い反面一番早く反応するのですが、遅行スパンのサインは価格がもみ合いだした時に売りと買いの優勢・劣勢地点を効果的にとらえられるシーンが多いので、是非とも覚えておいてください。

そしてMAの向きというのは設定した期間に置いて、売りと買いどちらが優勢なのかを示しているので、MAの向きが変わったという事はその特定期間に置いて売りと買いの優勢が変わったという事にもなってきます。

ただMAの角度は分かりづらいですので、遅行スパンを見ながらライントレードと合わせる事でより高度でシンプルな分析が可能になってきます。

遅行スパンはローソク足と触れる時が押し目のチャンス

遅行スパンはトレンド中にローソク足と触れそうになると押し目買い・戻り売りのチャンスだったりもします。

これは必ずそうなるという訳ではありませんが、それでもトレンドフォローのタイミングを掴むのにとても役立ちます。

↑ローソク足が確定した時に遅行スパンは過去のローソク足に触れていますね。

その後価格が大きく更新するかどうかというのは上位足を見る事で判断が出来ますが、画面一枚で判断するのであれば直近の高値・安値の手前で利確というのが最も無難でおすすめです。

そしてクロスした時にその方向へ狙うのか、タッチした時に順張りするのかと言った判断は現在がどういう状況にあるのかを見極める必要があります。

例えばハッキリとしたトレンド中は遅行スパンがローソク足にタッチした所で押し目買いや戻り売りを狙う。

↓レンジや調整局面では意識されている所にラインを引き、そこをブレイクする時に遅行スパンが直近もしくは同時にクロスしてくる所を狙う。

遅行スパンはこのように状況に応じて使い分ける事で多くのシーンで役に立ってきます。

以上、初心者でも分かる一目均衡表のわかりやすい使い方と見方でした。

↓ラインの引き方やプライスアクションは下記の記事がとてもおすすめです。

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