FX|MAを使ったブレイクアウト手法とMAの落とし穴

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FXで多くのトレーダーが採用している移動平均線(通称MA・正式名称ムービングアベレージ)というのは万能で、環境認識やエントリーのタイミングなどを計るのに補助輪的な意味合いとしてもとても使い勝手が良く素晴らしい指標です。

ここではそのMAの間違った使い方やブレイクアウト手法にも使えるMAの使い方などをご紹介いたします。

MAの簡単な概要

細かい説明はあらゆるFX教材でされているのでここではざっくりとご紹介いたします。

主な移動平均線は3つあります。

  • 単純移動平均:SMA
  • 加重移動平均:WMA
  • 指数平滑移動平均:EMA

まずSMAは例えば設定の所で期間を(5)と設定すればそれは現在のローソク足を含めた5本分の終値を下記の計算で導き出します。

(本日の終値+昨日の終値+2日前の終値+3日前の終値+4日前の終値)÷5。

簡単に考えて5本分のローソク足の平均がMAの角度や位置に現れます。

そして私は5分足で指数平滑移動平均線である25EMAを主に使っていますが、EMAというのは直近の足を加重した計算になっており、SMAよりも現在の価格に敏感に繊細に反応します。

↓赤が25SMA もう一つが25EMAです。

黄色の丸で囲った部分は価格は一度大きく上昇していますが、SMAである赤いラインは上向きになっていないのに対し、もう一方の25EMAは上に膨らんでいますよね。

SMAは設定した期間分のローソク足(画像は25)本分の終値を均等に扱いますがEMAは直近の価格を重視しているので上記のように反応が異なります。

そして直近の値動きに敏感なEMAというのはプライスアクション分析で特にブレイク系には非常にマッチしております。(この後解説いたします)

もっと言えばスキャルピングやデイトレードといったトレードスタイルの中、短時間で決済を行う手法ではEMAは本当に優れています。

土台としてあるのが全体的な流れは確かに大事だが短時間でトレードを終わらせる為には直近の値動きの方が重要であり、SMAは設定期間分のローソク足を平等に扱うからマッチしていないという考えです。

(上記画像をもう一度ご覧ください。丸部分ではSMAは一切上を向いていないのはその前からの平均も平等に扱っているからです)

SMAは大雑把に表示してくれます。

MAは抵抗にならない

↓これは25MA50MA100MAと適当に入れた3本のMAです。

こういうのを見ると最初は「MA使えるじゃん!」って思う方は少なくないと思いますし私も新米トレーダー時代はそう思っていた時期もありました。

ここでハッキリとお伝えしますが、MAというのは設定した数値分のローソク足を平均化したものにすぎず、それ単体が効果を発揮して抵抗になり価格が反発するという事はありません。

結果的に見れば抵抗になっているように見えているだけなんです。ここを履き違えるとFXで泥沼にはまります。

そしてもう一つあるのが、レート・ローソク足が確定する事でMAの角度や感覚が決まります。MAが先に位置を決める訳ではありません。

よってMAは未来を予測できる魔法のツールという訳でもありませんが、それでもなぜMAが優れた指標と言えるのかを解説いたします。

1:環境認識に適している

再度同じ画像になりますが、MAがそれぞれ空間を作り全てが上向き(売りは逆で下向き)になっている状態の事をパーフェクトオーダーと言います。

このパーフェクトオーダーが出ている時はトレンドが出ているというある程度の再現性を担保に状況を判断する事が可能です。

しかしMAというのは価格が決まってから位置が決まる物であり、結局は高値や安値を認識出来るようにならないといけません。

よってわざわざ50MAや100MAといった大げさな物をチャートに入れてローソク足を見づらくしても、最終的には高値と安値を認識してトレンドを判断しなくてはいけないので私は25EMA一本あれば十分と思っています。

MAが上向きになっていて、高値や安値を切り上げていればそれは上昇トレンド。

そして普段見ている相場でいつもより角度があればトレンドが強く、

↓逆にMAが横ばい気味で高値と安値もハッキリしない時はレンジと判断出来ます。

MAを補助輪にした高勝率ブレイクアウト手法

これは別な記事で紹介しているのですが、質の良いブレイクと質の悪いブレイクの違いはいくつかありますが、代表的な物で言えば価格がしっかりと試されてきたのか?という所にあります。

意識されているライン近辺で何度も売り買いがされた後でブレイクする事で大きく価格が動く事が多く、さらに多少価格を戻してきても再度跳ね返して再ブレイクする事も非常に多いです。

そして例えば上記画像の下の例で言えば、高値を切り下げているので下方向へ圧力が溜まってきます。

↓このように空間が狭まってくると圧力はどんどん溜まって行きます。

そしてこのブレイクの良し悪しはプライスアクションで決めるのですが、その補助輪として凄く優れているのが25EMAで、ブレイクする前にMAが価格を押し出すようなイメージになっていると完璧なブレイクアウトを物に出来やすいです。

実際のチャートでいくつか例を見ていきましょう。

↑25EMAが上向きになっており、プライスアクション分析でも安値を切り上げている。さらに空間が狭まって圧力も溜まってきている。そこで意識されている重要なラインをブレイクした時に25EMAが価格を押し出すような形になっている。(ラインとMAの感覚も時間をかけて確実に狭まっている)

再度お伝えしますがMAは価格が決まってから位置や角度が決まりますからMAが価格を押し上げるという事はありません

しかしそういうイメージを持つ事が重要で、例えば細かなプライスアクションがまだ苦手な状態でも下記のようなブレイクは簡単に質の悪いブレイクと判断してスルーする事が出来ます。

ラインから離れた所から価格が落ちてきておりますしそれは空間を見ても狭まっていないので圧力が十分ではない。さらにラインをブレイクした時にMAも遠く、価格を押し下げるようなイメージには見えない。

これはリアルタイムでトレードするのに非常に重要な判断です。(これは早いブレイクに当てはまります。時期尚早。)

↓リアルタイムでラインを抜けた時のイメージ

結果的には落ちましたがそれは結果論です。再現性がありません。

↓一級品のブレイクとは言えないがそれでも悪くないブレイク

価格をMAが抑えているイメージで空間も横ばいから最後は3本のローソク足というこれ以上なく狭まった後のブレイク。(この後ローソク足が後1~2本くらいMAとラインの間で収まるのがあれば負けても後悔のしようが無いほどの最高のブレイクだった)

このMAがラインから価格を押し出すようなブレイクだけがMAを補助輪として使ったブレイクの全てではありませんが、よくある鉄板パターンなのは間違いありません。

そしてこれはSMAではダメなんです。なぜならSMAは動きに鈍くザックリとしか表していないので、直近の動きにも反応しない時が多いです。

↓もう一度比較 SMA赤 EMA青

圧力は溜めだしたら必ず溜めきるという物ではなく途中で抜けてしまう事も多々あります。SMAだとそれを上記画像のように考慮しないで表示する事が多いんですね。

だからブレイクアウト系の手法やスキャルピング・デイトレードではSMAよりEMAの方が使い勝手が良いんです。(MAをどのように使うとか手法による所もありますので一概には言えませんが。)

ただその中でもこの25EMAはトレンドフォローなどあらゆる場面で使えます。その解説は別な記事でしますが、単純な指標として25EMAから離れた所からのエントリーというのはそれだけ不利になるというのは覚えておいてください。

(買う場合、価格がMAよりかなり離れた上に位置している場合、平均より明らかに高い位置で買う=損しやすいという事を意味しています。)

以上、FX|MAを使ったブレイクアウト手法とMAの落とし穴でした。

下記の記事も参考になります。

FX|重要なプライスアクションの反転サイン・チャートフォーメーション一覧

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