以前俺と彼女と友人のF男と三人で肝試しに行った時の話です。
その時共通の昔からの友人でT子という女がいたのですが、その人は自称霊能力者です。良くいるじゃないですか。若い時に注目浴びたいのか自分には霊感があるって言いだす人。
大抵そういうのって誰もが信じないもので、俺たち3人もT子の事は嫌いじゃないのでよく一緒に遊んでいました。
でもたまーに霊の話をする時だけのT子は好きじゃなかったです。(自分には霊感があるって雰囲気を出すから)
ただその日は肝試しに行くので、T子を連れて行ったらどうせ「この先は危ない」とか「行かない方が良い」とか言い出して場が覚めるのは分かりきっていたので、肝試しに行く事だけはT子には一切伏せていました。
そうしてその日はちょっと地元から遠くにある「メリーさんの家」という、今思えばどこにでもありそうな名前ですが、地元ではそこそこ有名なボロッボロの廃墟の旅館のような建物に行く事になりました。(旅館っぽいのになぜかメリーさんの家って名前なんです。)
その建物は4回建てで、外から見てもボロボロで一部壁が無かったりします。
俺たち3人はそこにつくなりズカズカと中に入っていたんですが、本当に足場が悪く床も結構穴が開いてて地下も見えたりしていました。
とりあえず地下は最後にして上に上がっていこうという話になり、三人はどんどんと奥に進んでいきました。
懐中電灯は持ってきてなかったので、外から車のヘッドライトで照らしていたのでそこそこ建物の中も視界がありました。(一部壁がなかったりするので光が中まで届く)
そうしてとある部屋の扉を開けると、そこは大きな部屋で一番奥にはキッチンがありました。
ただ信じられない事に、扉を開けたと同時にその場にいた3人のスマホにLINEが来た着信音が鳴り、三人はそのありえない偶然に一気に怖くなりました。
そこで友人のF男は「これやべーこえぇ~。今スマホ見ないで帰ったらみんなで一緒にスマホ見ようぜ笑」っと言い、俺と彼女も怖がっていましたが、その中でも楽しんでるF男が頼もしく見え、その意見に合わせる事にしました。
その部屋は少し悪臭が気になりましたが、そこに入り3人が数歩先に進んだ時です。
急に低くて小さな声で彼女が「逃げて」っと囁いたと思ったらいきなり来た道をバーーーッっと走って逃げていきました。
俺とF男は一瞬戸惑いましたが、焦って逃げる彼女の様子も気になったので、少し小走りで追いかけながら「どうしたの~?ちょっと止まってよ~」って言いながら後を追いかけ、そのままメリーさんの家を出る事になりました。
彼女は車に乗るなり「早く乗って!早く車出して!」っと焦っていて、俺たちの話を一切聞かないのでしぶしぶ車を出す事にしました。
少し走った後俺は彼女に「いきなりどうしたの!?」って聞くと、彼女はこう言いました。
「あの部屋に入った後、キッチンがあったじゃん。そして一番右の角に冷蔵庫があってその前には沢山のカップ麺のゴミが落ちてあったんだよね。
そしてその上を何気なく見たら、天井は底が抜けて上の階まで見えたんだけど、そのすぐ上に包丁を持った男が下に人が来たら襲い掛からんとばかりに身構えてたの。
たぶんあれホームレスかなんかであそこに住んでたんだと思う!」っと言いました。
俺たちは危ない所を彼女に助けてもらったみたいです。
そうして怖がっていたのも落ち着いてきた頃、そういえばあの部屋の扉を開けた時、3人のスマホが同時に鳴って誰かからライン来てた事を俺は思いだしました。
スマホ見てみよって伝えた後、3人がスマホを開くとなんと3人ともあの自称霊能力者のT子からLINEが来ていたのです。
内容はまったく同じものが送られてきて
自称霊能力者のT子:「今どこにいるのかわかんないけどすぐに引き返して!」でした。
俺はすぐにT子に電話をかけました。
するとT子は「寝てたんだけど今夢を見てね。そこであなた達3人は誰かに襲われて死んでいたから嫌な予感がして」っと言っていました。
彼女(T子)は本物の霊能力者なのかもしれません・・・・そう3人は確信しました。
追伸
メリーさんの家って、噂が勝手に噂を呼んで尾ひれがついて心霊スポットになっただけで、あだ名?みたいな感じでメリーさんというホームレスが住んでいたからメリーさんの家って名前になったのかなと後から思いました。
元々旅館っぽい建物なのに「メリーさんの家」ってのもひっかかってたのでそうかもしれません。
このお話が気に入ったらsnsで誰かに誰かに教えてあげよう。↓
面白かったです!
面白い&怖え~
こうゆうのを見て一番怖いのは人間なんだと思う。(ホームレスのこと)