【実話の怖い話】霊に話しかけたら大変な事になった最強の恐怖体験|短編#009

これは以前東京に出張に行った時の話です。

出張先についた初日、昼過ぎに一通り仕事を終わらせて軽く観光がてら街並みを少し歩くことにしました。

住まいは田舎の方なので、東京の街は田舎者には目新しく、年甲斐もなく少しウキウキしながら色々と見て回っていました。片手には地図代わりにスマホを持ちながら。

 

そうして1時間くらい歩いていると、スマホの充電がなくなりそうになって来たのに気づき、私は近くにあるらしい大型の電気店へ携帯充電器を買いに行く事にしました。

そうして見えて来た電気店へ近づくと、離れた歩道の所で5人の人たちが何やら立ち止まって会話をしているようでした。

真ん中には女性が立っていたのですが、その人の格好は見るからに夜の商売・飲み屋で働いていますって感じのいかにもな服装でした。

 

そしてその女性を取り囲むように周りには同じ職場の黒服なのかスーツを着た男性が4人いました。

私は特に気にもとめず、電気店に充電器を買いに行きました。店内は広いので買い物には10分くらいはかかっていたでしょうか。

そうして店内から出てその日泊まるホテルを目指したのですが、どうやらさっき電気店に入る時にいた5人のグループは、まだ歩道の真ん中で会話をしているようでした。

 

私が泊まるホテルの方向にいるので、その人たちを通り過ぎる必要があった私はまっすぐ歩いていきました。

最初は少し下を向いて歩いていたのですが、そのグループに近づくにつれこっちを見ているかのような視線とブツブツと何か語り掛けてきているような雰囲気を察しました。

私は気になって前を見ると、その5人グループはみんなまっすぐと立ち、私の方を向いてブツブツ喋っています。気のせいだと思ったのですが、二度見して確認してもやはり私の方を見ている。

 

そうして徐々に近づいていくと、どうやらその5人グループはみんな私の方を見てこう話しかけて来るようでした。

 

「どうして?どうして?どうして?どうして?」

最初は意味が分からず、「えっ?」っと戸惑いながらも前進していたのですが、ずーーーっと「どうして?どうして?」っと私に向かってひたすら繰り返して言っています。

近づくにつれ声もハッキリ聞こえだし、すれ違おうとしている私の方へ顔をゆっくり動かしながら「どうして?どうして?死にたくない」っと。

 

あまりの出来事にすれ違った後すぐに私は立ち止まり、その人たちに「えっ?なんですか?」っと声を返しました。

すると一瞬にしてその5人全員は血まみれで服がボロボロの姿に変わり果てました。

あまりの恐怖に腰を落としそうになりましたが、なぜか少し冷静な部分も持ち合わせていて、私は「あ、この人たちはもう死んでいて幽霊なんだ」って思いました。

自分でもそう冷静に思えたのが信じられませんでした。幽霊を見るなんて初めての体験だったのですが、私はさらに信じられない事にその5人グループに向かってさらに言葉を返してしまいました。

私:「死にたくないっていうかあなた達もう死んでいますよ」っと。

 

それ以上は幽霊に構わないようにしようと思い、あくまで自然な雰囲気を装ってそのままホテルに向かいました。内心はドキドキしていて怖かったです。

その後はホテルについてエレベーターに乗り、借りている部屋10階のボタンを押しました。扉は一部ガラス張りになっているのですが、階を上る度にその階のフロアが一瞬写ります。

「さっきの幽霊ホント怖かったなぁ・・・」って思いながらボケーっと扉の方を見ていると、4階あたりで一瞬人影が見えました。

その瞬間、過ぎ去った人はどうやらさっきの5人グループにいた女性に見えたような気がしました。

 

「ま、まさかな・・・」っと思ってエレベーターの扉を見ていたら、6階を通り過ぎる時にまたさっきの女性の霊がうつ向きながらエレベーターに向かって立っています。

あまりの恐怖に唖然としましたが、一瞬で階を過ぎるので私の視線はそのまま扉にある窓を見ているままでした。

 

すると7階・8階とさっき見た女性の霊がそのフロアに立ってこっちの方を向いています。

 

「俺が話しかけたからついてきたんだ!!!」そう思うと心臓がバクバクして今にも口から飛び出そうでした。9階にもいて10階に到着すると、当たり前かのように女性の霊は目の前に立っていました。

 

「さっき話しかけたから俺は見えてると思って付いてきたんじゃないか?だったら今度は無視しよう」っと思いエレベーターを降りると同時に、その女性を避けるかのように通り過ぎようとしました。

すると女性の霊はブツブツとこう喋っていました。

 

「どうして?どうして?どうして私が死なないといけないの?お前が死んだらよかったのに」っと。それを聞いてさらに怖くなりましたが、私は無視を決めこんで部屋にササッっと入りました。

私は部屋に入ってすぐにベッドの布団の中にもぐり、膝を抱いて怯えていました。「なんでついてきたんだよ~!まさか部屋にまでは入ってこないよな?」っと心配にもなりました。

その時、以前テレビで霊が部屋に入ってこないようにする為には塩を部屋の4隅に置けば良いって聞いた事があったのを思い出しました。

 

そこで私は「もしかしたらルームサービスに電話したら塩もらえるかも?」と閃きました。そうして布団から勢いよく出ると、なんと玄関の扉の前、部屋の中にその女性は立っていました。

もう見てしまったのでとっさに気付いていない振りなんてできず、私は驚いてわぁああああ!っと叫んで尻もちをつきました。

すると女性は一言こう言いました。

 

「本当は見えてるんでしょ・・・」っと。

そういうとその女性の霊はその場で消えていきました。

あれ以来その女性の霊は見ていませんが、もし憑りつかれていたらと思うと今でも本当に怖いです。



洒落怖くん洒落怖くん

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