投稿者:赤富士さん(この怖いお話は、視聴者さんから寄せられたお話だよ。)
突然だけど、僕はジェットコースターが嫌いだった。
なぜなら、神の声が聞こえるからだ。「乗るな、危険だから」ってね。
しかも、その声が聞こえたら限りなく高確率でジェットコースターで事故が起きるんだ。
それは、僕が小学1生のときから、今も続いている。
何でだろう。
しかも、なぜかジェットコースターでしか出てこないんだ。
その事を親に言ったら、精神科に連れてかれそうになった。
もうこの事は、人には話さないと決めた。
けれど最近、「人の言う事、簡単に信じないで」という声が聞こえるんだ。
神の方のね。
言ってる事は嘘、っていうのは本当なのか?信じてもいいのか?
そうしたら、言っている事は全て嘘ってことに…
あれ?言ってる事は嘘、ってのが、その通り嘘だったら、言っている事は真実…
どういうこと?
矛盾してる。
けれど、なぜ急にそんなことを言い出すのかが分からなかった。
相談もできない僕には、どうしようもなかった。
もう、神の声なんて信じないで、僕は自分で判断して生きていこう。
僕の結論はそれだった。
ずっと「神の声」だなんて言ってさ、馬鹿みたいだ。子供じゃないのに。
どうして僕は、君の事を忘れていたんだろう?
「……恵斗君」
君を殺したのは僕自身だった。
ジェットコースターに乗ってみたら?って、僕が誘ったから。
そのせいで……。
恵斗君は、ジェットコースターの事故に巻き込まれて病院に搬送された。
けど、もう助からなかったんだって。
今更後悔したって遅い事は分かってる。
だって、もう恵斗君は居ないんだから。
僕の事をりぃ君と呼んでくれた恵斗君は。
「思い出してくれて、ありがとう」
恵斗君の声だった。
恵斗君は、僕を見守っていてくれたんだ。
ありがとう。
僕は、顔を上げて歩き出した。
「りぃ君、僕の事分かる?」
「僕、恵斗だけど」
「ごめんね、りぃ君」
「僕が、ジェットコースター、勧めたから…」
「どうか、目を覚まして……」
「りぃ君…………」
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…
「恵斗様、お気の毒ですが、李仁様はもう…」
「りぃ君起きて!起きてよ、りぃ君!」
「首を骨折していますから、残念ですが…」
「そんな……」
山中李仁は現在、A病院第三病棟302号室に入院している。
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