投稿者:最高部高度 さん(この怖いお話は、視聴者さんから寄せられたお話だよ。)
「怖い、怖い、怖い」友達は、そう言って泣いている。
「大丈夫だよ、蜜柑。作り物だし」
「やだ、やだ、やだ、」
彼女の泣き声を無視して、歩き出す。
そう、ここは遊園地『Aパーク』の中にあるお化け屋敷、『蝶々病棟』。
訪れた客は、泣きながらリタイアする人、怖かったと言いながらクリアする人、笑顔で「また来たい」などと言い出口から出て来る人など様々だった。
「何が怖いの」「だって、だって、」
「何よ、たかがお化け屋敷でしょう?」
「殺される」
私は、耳を疑った。殺される?
「あははっ!」
お化け屋敷で、殺されるとか思ってる人、初めて見た。
「あんたね、どうしちゃったの…あ」
私は、言葉を失った。
だって蜜柑は…こんな人じゃない。
2年前。蜜柑は、私を誘って、ここに来た。蝶々病練。
嫌だ怖いと泣く私の腕を引っ張って、蜜柑は蝶々病練に入った。
怖いなんて、一言も言わなかった。
悲鳴もあげなかった。
この人に恐怖心は存在するのかと思って進んだ。
そうだ。この人は…
蜜柑じゃない。
彼女は、蜜柑と外見が凄く似ている。
下手したら気づかなかったかもしれない。
私は、彼女に話を聞いた。
自分は虐待されていた。
蝶々病練に行って、奥の部屋で殺す、と母に言われた。
お化け屋敷なら、死体を廃棄しても怪しまれないと、そう考えたのだろう。
奥の部屋に行くまで、ずっと放心状態だった。
けれど、私と貴方がぶつかった時、母は私の手を離した。
その拍子に、私は逃げた。
名前も知らない彼女は、そう言った。
けれど、最終的に、彼女は助かったことがわかった。
赤の他人でも、やはり人が助かると嬉しいというものだ。
…ん?
その瞬間、私は、全てを理解した。
私と蜜柑は、一緒に蝶々病練に入った。
そして、彼女とその母にぶつかった。
その時、彼女の母は、
蜜柑を彼女を間違えて、連れて行った。
今頃、蜜柑は、奥の部屋で…。
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