先にお伝えしておきますが、これは「たぶん」心霊的な体験では無いと思います。(自分自身消化しきれていない所があるので)
その日は車で3時間くらい街中から離れた実家に帰っていました。結構田舎の方にあるので、峠のような所も走ります。
左はずっと海が続いていて、右側は山というか丘というかそんな感じです。その日は夕方に家を出たので、日が落ちるのも早くて峠を走っている最中で日も落ちあたりは暗くなってきました。
ここで突然ではございますが、普段車を運転していたり道を歩いていたら、道路の真ん中に靴が落ちていたりしたのを見た事がありませんか?
意外と結構見かけて、あれたぶん運転手が信号待ちしてる時に一瞬ドアを開けてなんかして、そのまま靴を忘れてるのかなってよく思います。
峠を走っている時、目の前にはカーブミラーがあったのですがその下を見るとなぜかそこには片方だけ靴が落ちていました。
街中ならわかるのですが、峠なので家なんてある訳なく、人が歩くような場所でもありません。(たまーに長距離マラソンしている人いますが)
そんな場所に靴が2足ならまだわかりますが、片方だけ落ちてるってほんと不思議だなーってちょっと変な想像もして怖かったのを覚えています。
そうして大体そこから5分くらい車を走らせた頃、峠で辺りは日も落ちて暗いというのに、一人の女性が道の端を歩いていました。
もう絶対嫌な感じしかしません。ハッキリ見えているのでオバケとかじゃないのは少し自信がありましたが、明らかに普通の人ではないなと。
その女の人を見ると片方靴を履いていなくて「あっ、さっきあそこで落としたんだ」っと気づくと同時に、尚その人は普通の人じゃないとも思いました。(靴が脱げて気づかない人なんていませんよね)
ただもしかしたら目が見えない人とか、何か健康状態に異常をきたしているとか、何か事件に巻き込まれただけかもしれないっと考えました。
私は少し迷いましたが見てみぬふりは出来なかったので、その女性を追い越して100mくらいして「やっぱり声かけなきゃだめだ」っと正義感から車を止めました。
運転席のドアを開け、体を半分ほど車から出しながら後ろを見ると、後ろを歩いていた女性は急にめちゃくちゃ気味の悪い満面の笑みを浮かべながら私の車の方に全力で走ってきました。
それを見た私は「やばい、完全にイカれてる人かも」っと怖くなり、すぐに車のドアを閉めカギをかけました。
するとその女性は私の車のボンネットに大の字になってボンッ!っとジャンプしてうつ伏せになり、運転席に座る私の方を見つつ笑いながら車のフロントガラスをドンドンドン!ってグーでたたき出しました。
もう完全に頭がおかしい人だと確信し、私は逃げたかったのですが女性がボンネットに乗っているので車を動かす事が出来ません。(人身事故扱いで私が悪者になるので)
ですから私は怯えながら放心状態でその女性を見ていたら、その内その人は急に車から降りたと思ったら反対車線の山の方にテクテクと歩いていきました。
その時すぐに車を出せばよかったのですが、とっさの好奇心というのでしょうか。だまってその女性の後を目で追ってしまっていたんです。
すると女性は両手に大きな直径30cmくらいの岩を重たそうに持ち上げると、ニヤニヤしながら私の車の方に再度向かって歩いてきました。
もうその顔を見て、その人はこれからその岩をどうするのか分かりきっていたので私は急いで車を出し逃げました。
「なんだったんだあの女!」そう思いバックミラーを見ると、その女性は重たい岩を私の車の方に投げている姿がそこにはありました。(ほんとに重たかったのか1mも飛んでいませんでしたが・・・)
そうして数分カーブが続く峠を走っていると、信じられない事に目の前の右側の山側からさっき見た女性が駆け下りて来たのです。
靴を片方履いてないですし容姿もまったく一緒です。
私は「ありえない、こっちは車だぞ!」っと思うと同時にそこで「これは幽霊なのか?」っという考えも一瞬頭をよぎりました。
その女性が山から駆け下りてきて道路に差し掛かる前に、私は車でそこを駆け抜けたかったのでアクセルを思いっきり踏みました。
すると間一髪その女性に接触される前に通り過ぎる事が出来ました。私はほんとうに怖くて全身から汗が出ていてテンパっていました。
あの人は頭がおかしい人なのか幽霊なのか分からん。ただそこにいたのは事実だし、一度追い抜いたのにまた目の前に現れたのも事実。
最初はまともな判断が出来ないくらい焦っていたのですが、その内「もしかしたら山の方を上って直線的に走ってきて追い付いてきたんじゃないか?」っという考えに及びました。
峠ってすごい外回りをして走っていくもので、かなり無駄なカーブも多く続いているんです。だからその間を最短距離で直線的に走ればたぶん追い付く事も出来ます。
そう考えた瞬間私は再度バックミラーを見ました。
するとさっきの女性は私に追いつけなかったと思うと急に山の方に走っていったのか、私が考えた通りその女は山の中に走っていきました。
その姿を見て私は怖くて頭がおかしくなっていたのか、一瞬ふっと笑ってしまいました。予測した通りだと。なので私はさらにスピードを上げ、あの女に追いつかれないように峠を走りました。
その後その女は見ていません。
完全に精神を病んだ人も世の中にはいます。そういう人の巻き添えに合わないよう皆さんもお気をつけください。
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実際に起こったら絶対怖いだろうな
最短距離を行く極めて合理的な女性。
合理的すなわち人として完璧
めっちゃ怖い