怖い話|異世界に通じる病院のエレベーター
洒落怖くん洒落怖くん

投稿者:ティー助さん(この怖いお話は、視聴者さんから寄せられたお話だよ。)

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今から5年ほど前、私が田舎にある病院に入院していた時の怖い話をしたいと思います。

地元は田舎なので近くに総合病院は一つしかなく、建物自体は40年以上経っている古い病院でした。

私が入院していた部屋は相部屋で4人用。

一緒の部屋の人たちはすごくいい人で、相部屋って退屈しないし意外と悪くないかもっと気に入っていました。

そこで入院してから4日目くらいでしょうか。

病院と言えば規則正しい生活を強いられるのですが、いきなり規則正しい生活はどうしても合わず、夜中に目が冷めてしまいました。

どうしても眠れないので自販機にジュースを買いに行こうと思い、財布を見ると小銭は無かったので、1000円札を出してポケットに入れてジュースを買いに行きました。

病院は6階建てで私の部屋は6階です。

自販機は1階にしかありません。

エレベーターに乗って1階のボタンを押しました。

6階・5階・4階と光が点滅して下がっていき、1階についた時、ドアのガラス越しに外を見てもなぜか真っ暗でした。

真っ暗といいますか、壁なんです。

そして1階についたのになぜか光はまだ点滅しています。

「あれ?なんでドア開かないんだろ?」

そんな気持ちも、徐々に徐々に不安へと変わっていきました。

さらに間違いなく1階についている筈なのに、エレベーターは動いている感じがします。

「えっ!?怖い・・・」

最初は故障かと思ったんですが、あるはずがない地下にどんどんとエレベーターは降りており、故障という怖さではなく、理解できない状況に私は恐怖していました。

やがてエレベーターは止まり、チーンという音と共にドアが開きました。

前を見ると、先が見えない、長い長い真っ暗な廊下が続いています。

「こんな所・・・見た事が無い。ここはどこ!?」

恐怖に包まれ私は身動きが出来ず、必死にエレベーターの”閉じる”ボタンを連打しました。(カチカチカチカチ)

しかし一向にドアは閉まりません。

「なんで!?なんでドア閉まんないの!?」

少しすると、しばらく先の方から何か音が聞こえて来ました。

ペタペタペタペタ。

ものすごく怖いのに、その音がする方へ視線を向けた時、心の中では「見ちゃダメだ見ちゃダメだ」って分かってるのに目が離せないんです。

廊下のずっと先、暗闇の方から何か真っ白い物が近づいてくるのが見えます。

「なんだあれは・・・?」

その白い塊をずっと見ていると、ある所を境に急にスピードがグンッ!っとあがり、一気に視界にとらえる事が出来ました。

その白い塊だと思っていた物は、全身が真っ白な子供だったんです。

真っ白な子供が裸で満面の笑みで「ハハハハハハハハハハハハ」っと笑いながら全力でこっちに向かって走ってきているんです。

靴も履いていません。

それに気づいた私は叫び声をあげながらエレベーターの閉じるボタンを連打していますが、うんともすんとも言いません。

そして子供が一気に私の元まで走ってくると、思いっきり私の腰に抱き着き、満面の笑みで顔を見上げてこう言ってきました。

「お姉ちゃん捕まえた」

その瞬間、私は意識を失ってしまいました。

翌朝目を覚ますと、病室の自分のベッドの上でした。

「なんだったんだあれは。夢か!?」

夢だと思うと、怖かったという気持ちはやがて落ち着き出しました。

そして体を起こしてベッドから起き上がると、ポケットから「チャリ」って音がしました。

手を入れてみると、ポケットには小銭が入っていました。

数えてみると880円あります。

私はその時、あれは夢では無かったのかもしれないと思うと、怖くて怖くて仕方ありませんでした。



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