【実話の怖い話】とばっちりで生霊に憑りつかれた女|短編#010

私は霊感の強い母方の血筋が強いせいか、子供の頃から幽霊を見る力が少しだけありました。といっても、道を歩いていたらよく幽霊が見えるといったほどではありません。

あくまでたまに人についている生霊が見えるくらい。

 

なぜ見る幽霊のほとんどが生霊なのか、それはハッキリとはわかりませんが、きっと生霊って思いが強いから私くらいの霊感でも見えてしまうのではないかと自分では感じています。

 

そんな私ですが、以前友人に生霊が付いていたことがあり、私が言う事言う事あっていて、その時の助言で友人は難を逃れたという経験から、その友人は心の底から「ホントにそういう力って存在するんだね」っと私の力を信じてくれていました。

 

そんなある日、その友人が別な友人を連れて3人で遊ぶ機会がありました。

遠くから友人(ここではA子とします)が別の友人B子を連れてこっちに歩いてくる姿を見て、そこで私は今までの人生の中で一番おぞましい生霊を見てしまいました。

その初めて会うB子にはとんでもない怨念が込められた生霊が取り付いており、B子を殺さんとばかりにずっとB子の首を両の手で後ろから絞めつけているのです。

 

ただ、それを見たからと言って初対面のB子にいきなりそんな事を言える訳もなく、私は生霊にも気づかない振りをなんとか装い、3人で食事にいったり、買い物にいったりしました。

その間もずっと生霊はB子に取り付いており、あまりの怨念の強さに私も本気でB子の命が心配になってきました。

 

生霊が憑りつくって、多くの場合その憑りつかれた本人にも問題があったりするんです。本人に悪気が無くても誰かの怨みをかってしまうって事、実際によくあるんです。

それを踏まえた上でお話ししますが、B子はその日初めて会ったのですが本当に良い人で、とてもじゃないけどそんな強い怨念が込められた生霊が憑りつかれるような人には見えなかったんですね。

 

なのでB子がトイレに行っている隙に、私の事を信用してくれているA子に事情を話し、A子は驚いた顔を見せながらも納得してくれたのでB子にその事を伝える事にしました。

A子「B子、落ち着いて聞いてほしいんだけど、実はA子にはこういう力があって、その力で昔私も本当に救われたことがあったの」っといった具合にA子はB子に対して、私が話しやすいように前置きのようなものを挟んでくれました。

 

そして私はB子に向かって素直にそのまま伝える事にしました。

私「B子さん。言いづらいんだけどあなたには女性の生霊が憑りついているの。その生霊は本当に強く、このままだと身の危険が及ぶかもしれない。

何か人から恨まれたりするような心当たりはない?人に言えるような事じゃないかもしれないけど、本当に危ないから正直に言って欲しい。」

って最初は少し控え目に聞くと、B子は最初「えっ!?そんな事言われても思い当たる節ないんだけどなぁ」っととても困り果てていました。

それは嘘をついているようには見えなく、本当に心あたりがないように見えました。

 

なので深く考えて思い出させるよう、私はさらに正直にストレートに言いました。

私「気分を悪くしてほしくないんだけど、この今B子さんに憑りついている生霊は、今まで見た事もないくらいとんでもない怨念を込めてあなたに取り付いているの。

私は今まで何回か生霊を見て来たけどこれは本当に異常。本当に本当に心あたりない?

 

こんな強い怨念が込められた生霊が憑くって、本人に自覚が無いとは到底思えない。」そう私は正直に伝えました。

するとB子は少し下を向いた後、急に上を見上げながら大粒の涙を流しこう言いました。

B子「やっぱりそうかぁ。。。。そうだよなぁ・・・」っと。

その後B子さんが泣き止むのを待った後、B子さんはこのように私に話してくれました。

 

B子「今付き合ってる彼氏がいるんだけど、もう6年くらいになるかな。その時の彼氏ね、後から聞いたんだけど実は結婚前提に付き合ってる彼女がいたらしいの。

私は付き合った時もちろんそんな事は知らなかったんだけど、どうやら私と付き合った最初の本当に短い期間だけは、まだ彼女から別れてもらえてなかったんだって。」

B子「本人は私と付き合う前から別れるって相手には伝えていたって言ってたけど、中々相手が別れてくれなかったみたい。

だから結局強制的に連絡を断ち切るような形で別れられたって。」

 

B子「そして実は、その彼氏と付き合ってからこの6年間。思い返せば付き合い始めた頃からなぜか私は定期的に体の不調が目立つようになってきたの。でもまさかそんな・・・・」

B子はそういうとまた下を向いて泣き出してしまった。

 

私の経験上、生霊って大体1年。長くても2年もすればその思いは途絶え自然と生霊は離れていくってのが大半でした。物理的に生霊を飛ばしている人と遠く離れる事によって、自然と思いが断ち切られるってのが多いんです。

ですがB子に憑いている生霊は6年にも続くと聞いた時は、あまりの衝撃に私も恐ろしくなってしまいました。そして今も尚私の目の前でその生霊は鬼のような形相でB子の首を絞めている。

ここで生霊に憑りつかれた場合の解決策としてもう一つあるのが、その原因を現実で解決する事でもあります。(問題を解決したり双方でしっかりと話し合ったりなどがそうです)

しかしB子に憑いている生霊はそんななまやさしい物ではないのは明らかで、私はその方法を彼女に進める事はしませんでした。

 

そもそも話し合って解決できるくらいなら、6年間もこんなに強い生霊が憑りついていられる事はないからです。(その力は弱まっている所か日に日に強くなっていってるんじゃないだろうかという推測もあったので。)

ですから代わりに霊感の強い母の友人で、お祓いなどをしてくださる強い力を持った方に、母に事情を説明しB子は後日その人の所でお祓いを受けに行く事になりました。

その後B子は定期的に続く体調不良も起きなくなり、今は付き合っていた彼氏と無事結婚できたそうです。もう2度とあんなものは見たくないと、生霊はそこそこ見慣れていた私でさえトラウマになるほどの体験でした。

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