【実話の怖い話】丑三つ時に現れる生霊|長編#009

過去に自分が生霊に憑りつかれた話をしたいと思います。

当時年齢は20代半ばで、それまで前務めていた会社を辞めてから2年くらいニートをしていた後に、このままじゃいけないと思い近くのスーパーでレジ打ちのバイトを始めました。

そうして3ケ月くらい経った頃でしょうか、お客が一人もいないのでボーッっと立っていたのですが、突然目の前にスタスターっと素早く綺麗目の女性が現れました。

そしてその方は「これ受け取ってください」っといって手紙のような物を突然差し出してきました。

自分はお客さんだと思ってましたから、レジ打つ頭でいたので、突然の出来事に少し混乱して「えっ?」って感じでした。女性は俺にその手紙を返すと笑顔で「じゃあね」っといってすぐに帰ってしまいました。

自分のレジの目の前には、こっちに向き合うようにしてサービスカウンターがあり、そこでは一緒に働くおばさんがいたのですが、ニヤニヤしながらこっちを見ているのに気付いたと同時に今なにが起きたのかを察しました。

「えっ?これラブレター?」

そう思うとおばちゃんからの視線も気まづくて、おばちゃんに見られているのに気づかない振りをしてサッっとポケットにしまいました。

そうしてバイトが終わり家に着いてから、その手紙を開けてみるとそこにはこのように書いてありました。

「ひさしぶり、私の事覚えてる?〇〇だよ。急に見かけて驚いちゃってさ、勇気出して手紙出す事にしたんだ」的な事が書かれており、最後にはメアドと電話番号が書かれていました。

自分はまったくもって検討がつかず、身に覚えがないので必死に記憶を探りました。

このスーパーに来るって事は近くに住んでいて、名前は〇〇。

自分は高校生の頃から結構女遊びは激しく、数が多いので中々思い出せなかったのですが、一人だけ思い当たる節がありました。その子は一つ下の女の子で、当時高校2年生の時に1週間だけ付き合った彼女でした。

なぜ1週間で別れたのかと言うと、まぁ自分は遊び人だったこともあり、後、彼女と喧嘩は一度もしていないのですがなんか性格というか趣味嗜好が全然かみ合わないので軽い感じでふってしまいました。

元々綺麗目の子だったのですが、10年ぶりに見るとさらに綺麗になっていて全然気づきませんでした。そして書いてあったメアドにメールし、その後は自然と月3~4回くらいはこまめに遊ぶセフレになっていました。

彼女いわく、当時から俺の事が凄く好きだったらしく、信じられないですが今までずっと俺の事が忘れられなかったそうです。そして彼女は大学を卒業してからは東京に就職したのですが、職場が合わず退職して最近は実家に引っ越してきたそう。

それでスーパーにいったら偶然レジ打ちをしている俺を発見し、諦められないから手紙を出したとの事でした。

そんなこんなで半年くらい過ぎた頃でしょうか。これを見ている方で女性の方がいらっしゃいましたらすでに胸糞悪くなってるかもしれませんが、実話の体験談なので気持ちまで正直に書きます。俺はその子に段々と飽きていきました。

元々性格が合わないっていうか、タイプが全然違うんです。

言うなれば、その子は本当に「THE 女の子」って言った感じで、たまに手作りの料理を持ってくるのですが、確かキッシュ?って食べ物とかくれたりしました。(パイなのかピザなのかよくわからんやつです)

男なら「何それ?」って、若い時なら聞いた事ないような感じの食べ物で、決してまずくはないんですが「なんかちがうんだよなぁ」って、食べ物だけじゃなく話していてもよく感じていました。

外に出かけてもすっごいオシャレなカフェに連れていかれたり、そういう趣味とかもなんかちがうんだよなぁっていつも感じていましたが、俺は一度も嫌な顔はせず、相手の気持ちも少しは考えられる年になっていたので快く合わせていました。

そうして細かい積み重ねの趣味嗜好の違いがやがて飽きに変わっていき、その子からメールが来ても少しずつ返信しない日が増えていきました。

そうしてメールを返さないで2ケ月くらい経った頃、ある日突然、長く住み着いていた自分の部屋でいつものように寝ていた時にそれはおこりました。

●1日目

ベッドの向かい側にある押し入れが両扉で開閉式の扉なのですが、その隙間が少し開いていて、そこからいきなり物凄い視線を感じました。

その視線を感じた瞬間に目が覚め、その隙間をベッドに寝た状態で真っ暗な部屋の状態のまま凝視したのですが、そこにはもちろん何もありませんでした。

基本幽霊とか信じないタイプですから、正直あまりにも強い視線にビックリしましたが「気のせいだろ」って思って寝る事にしました。

●二日目

そして翌日、また同じように深夜にベッドで熟睡していたら、また突然物凄い強い視線を感じました。昨日と同じ場所の押し入れを見ましたがやはりそこには何もなく、昨日閉じたはずの押し入れがまた少し開いていました。

正直二日連続で気味が悪かったのですが、「気のせいだろ」っと思って携帯を見ると深夜の2時。実は昨日も同じことがあった後に携帯で時間だけは見たのですが、昨日も同じ深夜2時だったのです。

よく怖い話なんかで出てきますが、丑三つ時ってあるじゃないですか。深夜2時からは霊が活発になっておばけが出やすいとかってのは結構有名な話で、怖い話のテレビなんかを見る人は知っていると思います。

二日連続同じ現象がまったく同じ時間におき、少し怖かったですが押し入れに背を向ける形でまた寝る事にしました。

●三日目

昨日までの事は特に考える事もなく寝ていたのですが、また深夜熟睡している時に物凄く強い視線を押し入れの方から感じ、昨日は絶対しめたはずの押し入れの扉が又開いていたんです。

さすがに怖くなりました。心霊体験なんてしたことなかったですから、「えっ?嘘だろ!?」って軽く声を出したのを覚えています。

そうして「ま、まさかな・・・」って思って携帯を見るとぴったり深夜の2時。

「いや、俺は信じない!信じないぞ!」って無理に言い聞かせ、その後は中々寝付けず明るくなってきた朝の5時頃にようやく少しだけ眠れました。

●4日目

さすがに三日連続同じ様な現象が続いたので少し怖かったのですが、バイトで疲れていたのでその日も普通に寝付けました。

もう体が覚えていますから、また深夜に物凄い視線を感じた瞬間、熟睡していたのにビクッっと一瞬体が動き目が覚めました。押し入れには背を向ける形で寝ていたのですが、怖くてその日は押し入れを見る事が出来ませんでした。

すると後ろから感じる視線は、どうやらその日は明らかに前より自分側に近づいているのを感じます。「昨日より近づいている?」そう感じるとめちゃくちゃ怖くなりましたが、大前提としてあるのが自分は幽霊を信じない男です。

勇気を出してバッっと後ろを振り返ると、そこには何もなく、また押し入れが開いていました。時計を見ると本当に信じられませんが深夜の2時。またその日もあまり寝る事が出来ず、明るくなってきた6時過ぎにようやく安心して1時間ほど眠る事が出来ました。

●5日目

昨日もまた押し入れが開いていたから、むかついてガムテープで止める事にしました。そうして「最近寝れてないから今日は寝る!」って意気込んで寝る事にしたのですが、さすがに4日もそんな体験をしていたら怖くて眠れないのです。

押し入れの扉はガムテープで止めてあるのを確認して、電気を消して無理に寝ようとしていましたが、体内時計的に深夜2時が近くなるにつれて余計意識しちゃって眠れません。

押し入れに背は向けて顔を隠すように布団にもぐって目をつむっていた時、また強い視線が俺の背中を刺すかのような感覚に見舞われました。

「押し入れは開くはずがない。絶対に開かないようにガムテープで止めてある」そう自分に言い聞かせていると、どうやらその視線はさらに昨日よりずっと自分の近くから感じました。

もうハッキリわかるんです。どのくらいの距離の先にその視線の元があるのか。それは明らかに押し入れの中ではなく、自分のすぐ後ろにいるんです。

「話が違うじゃねーかよ!なんでもう押し入れから出て来てんのよ!」そう焦りながら、もうその時は半泣きでした。そして心の底では幽霊の存在を自然と認めている自分がいました。

ここ数日まともに寝れてなく、本当に寝たいのに脳は活発になっていてまったく寝れません。そうして少し経った後、その視線は感じられなくなりましたがその日は怖くて一睡も出来ませんでした。

●6日目

この時数日間まともに寝てないので、本当に頭が疲れていました。眠たいのに寝れず、目にも力が入らずずっとボーッっとしている感じ。

そして夜になるのが本当に怖かったのですが、それと同じくらい「寝たい!」って気持ちもありました。

そうして6日目もその強い視線は深夜2時にやってきて、明らかに背中を向けている自分に向かって日に日に近づいてきてるのが感じ取れます。

ここまで聞いて「あぁ、良くあるパターンね。」って思われる方もいらっしゃると思います。

なぜなら自分も元々そういうタイプだったので。そして今自分が話している事も怖い話なんか見ていてたら似たようなパターンって絶対あるだろって思ってます。でもこれは全て本当の話なのです。

●7日目

もう疲れ切っていました。そして感覚的に今日か明日。間違いなくその視線は深夜寝ている俺と接触する距離にいる。すぐそこまで来ている。そう確信していました。

寝るのが本当に怖く、夜母親とご飯を食べている時に「あんたどうしたのその顔!?なんかあったの?」って言われた時、俺は事情を説明して「一緒に寝て良い?」って言いたかった。

しかし20代半ばの男が50手前の母ちゃんにそんな事言えるわけがない。だから俺は軽く「なんでもないよ」って言った。そして兄貴も同居してたんですが、「兄貴なら・・・言っても良いかな?一緒に寝てくれるかな?」って一瞬思うほど俺は弱り切っていた。しかしそんな事言えるはずもなくその日も一人で夜を迎える事になった。

深夜2時頃。俺は相変わらず電気を消して押し入れに背を向け寝ようとしていた。寝る時電気をつけておけば良いかもとも思ったが、自分は寝る時まっくらじゃないと100%寝れないタイプなんです。

後、本当にもう寝ないと頭おかしくなりそうだったんです。このままだと絶対明日か明後日倒れる自信がありました。

そうして布団をおでこくらいまでかぶり怯えるように寝ようとしていたら、また物凄い強い視線を感じると共に、今度はほんとうにすぐ後ろにいるのがわかりました。

俺のベッドのすぐ横にはいつでも気になった事がメモ出来るようにノートが開いた状態で置いてあるのですが、その視線と一緒に誰かがすこーしずつ俺の方に近づいて来た時に、にわかには信じられない出来事が起こりました。

その視線を送ってくる幽霊がそのノートを「クシャッ」っと踏んだのです。

ハッキリと音が聞こえ、俺の心臓は止まりそうになった。音が聞こえたその瞬間、俺とそいつとの距離はもう明確で間違えようがない。本当に触れそうなほどすぐ後ろにソイツはいる。

金縛りではないのですがその時は恐怖で動く事が出来ませんでした。

そして俺は目を閉じているのに、まるで目を開けてそこを見ているかのように、後ろの幽霊は俺の顔を覗き込もうとしてきているのがハッキリと感じ取れました。

そいつは後ろからグググググっと俺の寝ている顔を覗きこんできて、俺の顔との距離がわずか10cmくらいの所まで顔を近づけて来た時、布団からおでこが飛び出ていた俺の前髪に向かって

フーーーーっと息を吹きかけてきて、それと同時に俺の前髪はフワっと浮きました。

その瞬間、あまりの恐怖に思いっきり「うわーーーーーーー!」って叫んでベッドから飛び出し、壊しそうな勢いで部屋の扉を一気に開け、一階まで俺は全力で階段を下った。

同居している家族もその異常事態に驚いたのかすぐにかけつけてきて、俺はこんな話信じられない、信じられる訳が無いと思っていたがそんな余裕もなく今までの出来事を全部話した。

そうしてその日からは一階の居間で寝る事にした。




●8日目

俺は昨日息を吹きかけられた時、自分でもわからないがその幽霊の正体が直観的に分かった。

あれは間違いなく〇〇の生霊だと。(前遊んでいたがメールを無視している女の子)なぜ分かったのかは分からない。

でも息を吹きかけられた時にそう直観して同時に確信もした。そうしてパソコンに向き合い俺はネットでひたすら「生霊 対処法」といったキーワードで手あたり次第検索した。

すると多くの共通点であった間違いない対処法が「生霊の元となっている人と向き合う事」だった。

そういえば俺は、その子からのメールをもうずっと返していなかったのを思い出した。そして本当にヒドい事をしたと心の底から反省した。俺は彼女を昔と今の2回も身勝手な行動で苦しめていたからだ。

そしてその子にメールしようとしたが、ずっと返信していなかったのにいまさらなんて送れば良いかわからない。その子も俺に嫌われたくないのか、メールが2回続けて俺から返ってこないだけでもうメールをしてきてないからだ。

「なんて言おうか」そう考えても考えても答えが見つからない。ネットで調べていたらこれも色んな所で同じように書かれていたんだが、生霊って本人が飛ばしている自覚がほとんどないケースばかりだそうだ。

本当は「久しぶり^^突然で悪いんだけどさ、生霊飛ばすのやめてくんない?」ってマジでメールしたかった。でも言えるはずがない。

その子からすればずっと無視されてるのかメールの返信もされず、久しぶりにメールが来たと思ったら「生霊飛ばすのやめてくんない?」だったらたぶん生霊も怒って俺の家の居間にまで降りて来るかもしれない。

悩みに悩んだ。でもメールは死んでも絶対するって決めていた。なぜならもう俺の体力も限界で頭がおかしくなりそうだったからだ。

そうして悩んだ末、「どうせ俺はちゃらい男だから何事もなかったかのように図太くメールしよう!」そう決めた。

その時送ったメールの内容は覚えていないが、「今何してた~?暇~?」ってどうせそんな感じだっと思う。自分が送った内容は覚えてないが、相手からの返信の内容はハッキリと覚えていて、その子は俺からのメールに対してそれはもうすごい喜んでいた。

そして生霊はその日を境にピッタリと出なくなった。

後日談

あの日以来、前ほどその子からメールもこなくなってきて、自然と俺との事を諦めてくれたのかなーって思っていた。

するとそこから半年くらい経った頃だろうか。突然その子からメールがこんな感じで届いた。

「久しぶり!私結婚する事にしたから、もう遊べないから~!」

なんだそれ!笑

おしまい。

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