【実話の怖い話】ヒトクイソウの祟り

これは去年私が体験した本当に不思議で怖かった体験です。去年旅行好きの友人と5泊６日の海外旅行に行く事にしました。（場所は中国）

私も友人もとにかく旅行が好きで、年に一回は1週間弱の海外旅行に行くのが趣味でもありました。

そして去年は中国に行ったのですが、友人は英語は話せますが中国語は話せないので、日本語が出来る通訳のガイドを一人雇いました。

そうして中国についてからは色んな食べ物を食べ、観光をしていたのですが、4日目ともなると一通り近場の所は見に行ったので次は何処に行こうかと考えていました。

そうすると友人は「そういえば中国のジャングル（山の中）には巨大なヒトクイソウがあるのを知ってる？」っと教えてくれました。

ヒトクイソウとは植物なのですが、葉が開閉式の大きな口のような形をしており、葉の先端はまるで口から生えている歯のような感じで鋭いトゲが何本も生えています。ハエなどがその上に止まるとパクッっと食べるかのように葉が素早く閉じるのです。日本にも小さなヒトクイソウはあります。

そして中国の巨大なヒトクイソウは人間よりも大きくなる物もあるらしく、それを聞いた私はワクワクして、二人は巨大なヒトクイソウを見に行く事にしました。

ガイドさんにその事を伝えると、当日は空きがないようで、明日なら何とか行けるとの事でしたので、中国旅行の最終日はジャングルにヒトクイソウを見に行く事にしました。

翌日3時間ほどバスに揺られジャングルの方につくと、そこからは車で入れないので歩きで進まなくてはいけなく、私と友人と、中国人の通訳ガイドさん一人に現地の案内人一人の計4人でジャングルを歩いて進むことになりました。

中々蒸し暑くて汗を流しならジャングルを進んでいったのですが、歩いても歩いても中々巨大ヒトクイソウは見えてきません。

そうしてまだかまだかと思っていた頃、友人が遠くの方を指さし「あれじゃない！？」って教えてくれました。指をさした方を見ると、かなり大きな、高さ2mくらいでしょうか、巨大なヒトクイソウらしき影がかなり遠くの方に見えてきました。

二人は「やっと見れる～」と少し足が軽くなって前を歩くと、どうやらその遠くに見えるヒトクイソウらしき物体はこっちに向かって歩いてきているように見えました。

最初は植物が歩くなんてそんなわけがない。そう思っていたのですが、それに気づいた現地の案内人の方は急に早口で喋りだしたと思ったら、後ろを振り返って今来た道を戻ろうとしました。

そして通訳の方が私たちにこう言いました。

「命が惜しいなら今すぐ引き返しなさいと言っています」っと。

私たちは3時間バスにのり、長い道のりを歩いてやっともうすぐ目の前なのに、この人は何を言っているんだと思って、言う事を聞かずさらに前を歩きだしました。

すると現地の案内人が、言葉は分かりませんが急に大きな声を出して凄い必死に私たちに向かって「こっちこい、こっちこい！！」って手でジェスチャーしています。

話している事がわからなくても、雰囲気的にこの人は本気で怒っているというのは伝わりました。通訳の人も「ダメです。それ以上進んだら本当に危険です。今すぐ引き返してくださいと言っています」っと言ってくる。

そして前を見ていると、遠くに見えるヒトクイソウ？らしき緑の巨大な物体は、明らかに走ってこっちに向かってきています。

それを一気に見て怖くなり、私と友人も急いで引き返す事にしました。

足場は悪く、可能な限り全力で走ったのですが、遠くからはずっとその緑の巨大な物体は追いかけてきています。

どんどんと恐怖が増していき、4人は急いで乗って来た車に乗ると現地の案内人は凄い手さばきで車を方向転換させ、急いで車を発進させました。

現地の案内にの人の顔は本当に必死な顔をして「冗談じゃない！」ってダラダラ汗を顔から流していたのが強く記憶に残っています。

通訳の方に「あれはなんだったんですか？」って聞いてもらっても、現地の案内人の方は「今日見た事は忘れなさい。そしてこれ以上私に聞かないでください」っと言ってからは一切教えてもらえませんでした。

そんな出来事があって私も友人も納得が行かず、翌日日本に帰ってからも再度お世話になった通訳の方に

「あの正体は何だったのか気になるので、少し知ってそうな方達や、再度あの時のガイドの方に聞いてみてもらえませんか？」とお願いしました。

すると数日が経った頃、通訳の方から連絡が入りこのように教えてくれました。

あの緑の物体は昔からその現地の人達だけが知っている、本当に人を喰うヒトクイソウだとの事。

しかし現地の人達も言い伝えだけで、実際に見た事がある人はほんの一握り。

そしてあれに見つかるとその人を食べるまで執拗に追ってくるそうで、見てしまった人はお祓いを受けないといけないらしい。（祟り・呪い・そういった類のものみたいです）

私と友人は翌日すぐに日本に帰ったから問題はないかもしれないが、あの時現地を案内してくれたガイドの人はすぐにお祓いを受け、通訳の人も説得され昨日お祓いをうけにいったそうでした。

それを聞いてから、あの時見た物を思い出すと本当に気持ちが悪い不思議な体験でした。

洒落怖くん

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