【実際にあった怖い話】短編#002|身に覚えのない怨み

私は20代後半でOLをしています。ここで突然ではございますが、昨日、凄く怖い夢を見ました。

あまりにも怖いのでとにかく誰かに聞いてもらって恐怖をやわらげたいという気持ちがあるのですが、実はとある事情により絶対に昨日見た夢は忘れたくないのでここに書く事にしました。

その夢の内容は、私が職場から家に帰る道を歩いている所から始まりました。

 

住んでいる所は別に田舎って訳でもなく、それなりに人口も多い所に住んでいるので、普段は車や人も常に歩いているような所です。

夢の中は夕方なのですが、なぜかいつもは沢山車が走ってる道路に車は一台もなく、人も誰一人歩いてはいません。

通り過ぎるコンビニも、店内は電気がついているのですが人は一人もいませんでした。

夢の中なのでその光景に違和感を覚えたのは実は夢から覚めた後で、見ているその時は特に何も考えずに「家に帰らなきゃ」という気持ちだけでした。

 

そうして家に帰る道を歩いていたのですが、その内かなり遠くの方から人に見られている気配がしだし、私が後ろを振り向くとすぐにその人の気配は物陰に隠れていなくなってしまいます。

人が一人もいないので夢を見ている私は「あぁ、せっかく人がいたのに残念」って何故か思ったのを覚えています。

 

そうしてまた歩きだすと、また人の気配がしたので後ろを振り返ると、またその人影は急に逃げるようにいなくなってしまいました。

「どうして逃げるんだろう?見られたくないのかな?」なんて思ってまた歩きだすと、再び人の気配がしたと思って振り返るとまたすぐに消えてしまいます。

まるで歩きながら「だるまさんが転んだ」をしているようなイメージです。

 

そんなのを4~5回くらい繰り返した頃でしょうか。後ろを振り返る度に少しずつ少しずつ人の気配が近づいてきているようになりました。そうして誰が後ろを歩いているのかすこーしだけわかるようになってきました。

性別は男。年齢は70歳くらいの老人です。

私は見覚えがあるようでないような、誰か思い出せそうで思い出せない。「誰だろ?誰だろ?」って不思議になって考えながら歩いていました。

そうこうしている内に家までは残り200mくらいに差し掛かってきて、もう遠くに家は見えています。

 

「家にもう少ししたら着くから、ちょっと怖いけど今度は後ろから付いてきている人を出来るだけ振り向かないで引き付けて、しっかり顔をみてやろう」私はそう思い、足音がギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいの所まで後ろの人を引き付け、勢いよく後ろを振り返りました。

 

そうしたら後ろの老人は今度は物凄い勢いで、そしてとても怖い顔をして私を捕まえようと両の手を前に出しながら走ってきました。

近づくにつれその顔は鬼のような形相に変わっていき、ハッキリと私への殺意を感じました。

それを見た私は怖くなり、「つかまったら殺される」そう思い全力で家まで走りました。老人の顔はそれはもう本当に怖い顔をしていたので、とにかく必死になって全力で走りました。

途中、家まで残り50mくらいの所らへんから、急に後ろから追いかけてくる足音が消えたのに気づきましたが、それでもとにかく怖かったのでそのまま走り続けました。

 

「家はもう目の前だ」そう思いながら勢いよく家の玄関に手をかけた瞬間、後ろから「ガシっ!」っと強く私の両肩がつかまれ、私は強制的に動きを止められました。

つかまれた瞬間、肩から伝わってくる手の感触は老人っぽく、私はずっと後ろから追いかけてきた老人が私を捕まえたのだと直感しました。

「どうして?足音は全然しなかったのに!」

肩をつかまれ、私は恐る恐る後ろを振り返ると、そこには鬼のように怖い顔をした老人が、すこしニヤっとしながら私を見てこう言いました。

 

「3回目・・・・・」

 

「次で最後な・・・・」

 

その瞬間私は夢から覚め、全身から信じられないほど汗が流れていました。そして目が覚めた直後、私はこれと同じ夢を過去に2回見ている事を思い出しました。

1回目は小学2年生くらいの頃、母方のおじいちゃんが亡くなった日。

2回目は6年くらい前、大学を卒業した日にです。

 

どちらも私の人生において印象的な日だったので覚えています。しかし自分でも信じられないのですが、この夢を見たという事をどうして今まで忘れていたのか、自分でも信じられません。

私は昨日、8年付き合った幼馴染と結婚しました。

3回この夢を見た事も、もしかしたらすぐに忘れてしまうかもしれないのでここに書かせて頂きました。

 

そして今でも怖くて怖くて仕方がないのですが、夢の中で私を殺そうと追いかけてくるその老人って、実は私が小学2年生くらいの頃に亡くなったおじいちゃんなのです。

「次で最後な・・・」

私の人生の中で印象的な出来事が起こったその日にみるその怖い夢・・・次いつまた見てしまうのかと思うと怖くて仕方ありません。印象的な出来事がこれから先起こるとしたら出産とかでしょうか。



洒落怖くん洒落怖くん

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