【実際にあった怖い話】短編#003|本当に怖いのはどっちだ

去年俺と男友達4人で海に行った時の話をしてみようと思う。

その日は快晴で見事に海日和だった。波の音も心地よく、半分日焼け目的だった俺は普段の疲れも同時に癒したいと考えていた。

 

海に着いた後、日焼けをするべく本当ならイスを設置してそこに寝るんだけど、あまりにも解放感があって天気も最高だったからその時は砂浜にそのまま寝る事にした。

すると30~40分くらいしてからかな。海で遊んでた友人3人が暇を持て余したのか、俺が寝ている所に砂をかけだした。俺は笑いながら「やめろってぇ~笑」っと言っていたが、友人3人はこのまま俺を砂に埋めるつもりらしい。

 

そして全身が砂に埋まったら、これは男ならお決まりっちゃお決まりなんだが、股間の所を砂で少しもっこりさせ、それを見た友人3人は爆笑していた。

俺は周りに人がいるから少し恥ずかしかったが、面白い物は面白い。

「それだけはやめてくれ笑」なんて言いながら、楽しかったから俺もまんざらじゃなかった。すると友人はさらに面白くさせたいのか、今度は胸まで砂でモッコリを作り出した。もう男も女もごっちゃごちゃ。

 

すると友人の一人が「女がここを通り過ぎたらさ、助けてくださいって言ってよ笑 んで女たちの反応が良さそうなら俺たちがそのまま声かけて後はうまくやるからさ!」ってナンパに使おうとしてきた。

俺も女と遊べるならと思い、少し恥ずかしかったがその作戦に乗る事にした。

そこで一人の友人が元々日焼け目的で来ていた俺に気を使ったのか

「顔だけ日焼けしたらウケるからパラソルだけ置いて行ってあげるわ笑」っと優しさのようなものを見せてくれた。

そしてそのままの格好で待っていたんだが、待てど暮らせどだれも俺の近くを歩く女性はいない。

 

「全然人来ないなぁ」って思ってると、ある考えが頭をよぎった。それは、胸と股間が飛び出した砂に埋まってる人の近くなんか、女性なら恥ずかしがって歩きたくないんじゃないか!?っと。

しばらくしてきっとそうだと諦めかけていた時、遠くから友人3人が俺の事なんかほっておいて別の女性に声をかけている姿を見かけた。

俺はそれを見て「あぁ、そっちで上手くやってくれるならそれはそれで良いか。んで後から女をここに連れてきて俺を笑いものにするんだろ。別にいいけど」って半ば諦め、仕事で疲れていたから目を閉じて少しだけ休もうと考えた。

そうして数分が経った頃、心地いい波音に誘われウトウトしてきた頃、俺の頭すぐ上の方からこんな声が聞こえてきた。

「〇シエ〇ア〇〇」

最初はなんて言っているのか分からなかった。誰か違う人の会話にしては距離が絶妙で、俺に話しかけているような気がしないわけでもない。

 

しかし俺は面倒なので無視していたら、何度も何度も俺にこう続けて話しかけてきた。

「〇シエ〇アゲ〇」

俺:「もう少しで聞き取れそう」そう思っていたら、その声はどうやらこう俺に言っているらしい。

「〇シエテアゲル」「オシエテアゲル」「オシエテアゲル」

そう何度か繰り返した後、ちょっと気味が悪くなってきたので目を開けて声がする頭上の方を見たが、そこには誰もいなかった。

「今の声はなんだったんだ?最後の方はハッキリ聞こえたから聞き間違いではないんだが」っと思うと、すこし怖くなったので砂から出て、俺は友人たちの方に行った。

友人たちは女の子グループとすっかり打ち解けていたようで、俺がそこに加わる頃には、すでにこの後何処で遊ぶかってその子達と話を進めていた。

 

そうして話がまとまると、「それじゃ準備して早速行こうか」っと誰かが良い、俺たちはタラタラと帰る準備をした。(海水浴なんて若い男からしたらナンパ目的が大半である)

俺はさっき自分が埋められている所に戻ってパラソルを回収しようとしたが、その場を見て少し驚いた。

なぜなら、さっき俺が使ってたパラソルは刃物で切り裂かれまくった感じでボロボロになっており、そのすぐ隣には錆びた包丁が二つ砂にぶっ刺さっていたからだ。

「きっと誰かがイタズラしたんだ!」そう思った俺は少し腹が立ったが、この後女の子達と遊べるからすぐに冷静になり、「仕方ないからパラソル片づけてゴミに出すか・・・」って片づけだした。

 

すると300mくらい離れた所だろうか。遠くの方から5~6人の騒ぐ声が聞こえてきて、一部大きな悲鳴で「キャー!」という声も聞こえてきた。

何が起こったんだ!?っと驚いてその方を見ると、海パンすら履いていないスポーツ刈りの筋肉質な男が、裸で包丁を両手に持ち、足がもつれそうになりながらもゆっくりと前進しながら包丁をブンブンと振り回していた。

顔は明らかに異常で、少し近づいてきた頃に見えたのだが目の焦点も合っていない感じだった。周りの人たちは一斉に逃げ出し、そしてそれを見た俺と友人達もみんな逃げ出した。

遠くから見ても、まだその男は裸で包丁をブンブン両手で振り回している。

そうして10分くらい経った後、サイレンと共にパトカーがやってきてその男はそのまま連れていかれた。たまにテレビで事件とか見るけど、本当におかしくなっちゃった人っているんだなって友人達と話していた。

 

そうして身支度が終わり、俺は帰りの車に乗ろうとした時、急に誰かに耳元でハッキリとこうささやかれた。

 

「オシエタヨ」

驚いて後ろを振り返っても、もちろん誰もいなかった。

帰りの車のなかで、その日起きた事を思い出していたが、最終的には「きっとあの声は俺に身の危険を知らせてくれたのかもしれない」という結論に至った。

なぜなら、パラソルを回収しに行った時、ボロボロに切り裂かれたパラソルと錆びた包丁が置いてあったからだ。

その後二度とその声は聞いていない。



洒落怖くん洒落怖くん

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