ガチの霊場に行った時の恐怖体験

昔居酒屋でバイトしていた時に体験したちょっと怖い不思議な話をしたいと思います。(リアルな実話なのであしからず)

その時私は20歳そこそこで遊び盛りの年頃でした。

しかしバイト先の女の子には一切手を出した事がなく、そこはキッチリしていたので真面目なんだがチャらいのかよう分からんやつでした。(ただ仕事は真面目にやってたってだけですが)

そんなバイト先には自分と一緒にカウンターで調理を担当する、身長が150cmくらいの太った先輩がいました。

初めてその人を見た時は男だと思っていたのですが、な~んか節々で「えっ?実はこの人女なの?」って感じる所もありました。

どういう所で感じたのかというと、バイト先のカウンターは狭いので人がすれ違う時は軽くお互い体が触れます。

その時もその太った先輩とスレ違ったのですが、相手の胸がグッっと自分の肩に当たった時、女性の胸のような感触を覚えました。

太っている人って男でも胸出てる人いるじゃないですか。最初はそう思ってたのですが、男は胸が垂れてるんですがその先輩は明らかに前方向にハリがあったんです。

だからそれで自分は気になり、ある日バイト先の仲の良い先輩に「変な事聞きますが、あの人って男ですよね?」って言ったら先輩は笑いながら「あいつ女だで笑」って言われ驚きました。

その疑惑の先輩は顔が男っぽいだけじゃなくて、性格、気質もなんか意図的に男に寄せていたんです。

だから男に見えても不思議ではありませんでした。

今ではネットが流行って色んな人の声や映像・情報を聞くことが出来るようになりましたから、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)は割りと普通かもしれませんが、昔ってそんな人身近にいる事自体珍しかったので私はとても驚きました。

自分は完全に男だと思ってたから完全に男のノリで話していて、元々仲は良かったのでトランスジェンダーだと分かっても自分の中で何かが変わる事はなく、その後も仲良くしていました。

しかしそれからというもの、まだ自分では女なのに男に見えるのが信じられず、無意識にその人を観察するようになっていたんですが、どうやらその人はバイト先の女の子にしょっちゅう話しかけたりして、女の子と仲良くしたいアピールが凄かったんですね。

そういう姿を見て私は「あぁ、やっぱこの人女だけど性格は男で、そして女が好きなんだ」っと察しました。

そんなある日そのトランス先輩は急に私にあるカミングアウトをしてきました。(結構仲良かったので)

「実は私あの子の事好きなんだよね。遊びたいんだよなぁ~」って言ってバイト先の女の子でだれを好きなのかを教えてくれました。

自分はプライベートでは遊び人だったのですが、それまでプライベートで一度もバイトの子とは遊んだことすらありませんでした。

「まぁちょっとくらいいっか」って感じで、そのトランス先輩と私ともう一人男を誘い、そして何とかその女の子ともう一人の可愛い子を誘って5人で遊ぶことになりました。

その日に向けて事前にみんなで当日は何処に行くか話していたら、みんな夏という事もあって肝試しに行きたいと言い出したので、肝試しに行く事にしました。

遊ぶ日まではまだ1週間くらいあります。

その日まで別な職場の仲いい先輩社員に「めちゃくちゃ怖い心霊スポットってないですかねぇ~」なんて軽い気持ちで聞いたら、その人は一瞬間が開いた後で「うーん、知らん」っと返してきました。

その一瞬の間がすごく気になったので、私は「えっ?なんか知ってるんですか?」っと問い詰めると先輩は少し考えた後に「んー、やっぱだめだ。知らん」っと返してきました。

そんなの言われたら気になるので、翌日再度その先輩に「あの、何処か良い所知ってるんじゃないですか?教えてくださいよ~!」って言うと、

先輩は「すまん、そんなつもりなかったのに思わせぶりな態度取って。

でもこれは教えない事にしてるから他を当たってくれ」って返されました。

きっと凄いヤバイ場所知ってるに違いないとおもい、再度翌日もしつこく聞いたら先輩は「いやさ、俺も昔ヤバイ所知ってるって人を別な奴から聞いてさ、その場所知ってるやつに教えてって言ったら最初は断られたんだよ。

んで諦めきれなくて毎日しつこく聞いたら「昼に行くならいいよ」って言われてやっと教えてくれたんだよ。

その場所は山の中にあるんだけどさ、それで約束通りその心霊スポットは昼間に友人といったんだけどそこでえらい目にあったんだよ。

昼間に行ってあれだけ怖い思いしたんだから、夜に行くなんて絶対オススメできないし、本当に危ないから言えない」っと言われました。

もうそれを聞いたら私は目を輝かせ「絶対行きます!教えてください!」ってしつこく聞きましたが教えてもらえませんでした。

そして翌日もしつこく迫ったが断られ、さらに翌日も聞くと「お前しつけーな!どうなっても知らねーからな!」っとちょっと怒り気味でその場所の地図を書いて渡してくれました。

どうやらそこは本当に山の中にあるらしく、普通の車では奥に入っていく事は出来ないとキッパリ言われました。

しかし幸いな事に、トランス先輩は本格的なジープのような大きくて車高も高い車に乗ってたので、その時はラッキーって軽いのりで行ける事になりました。

肝試し当日。バイトは12時に終わるので、ウキウキしながら更衣室に向かおうとしたら、その心霊スポットを教えてくれた先輩に急に肩を掴まれました。

先輩「おい、車って6人乗れるか?」っと聞いてきたので「あ、いけると思いますよ?」って返すと先輩は「本当にあそこいくんだよな?お前ら若者だけだと、道自体も狭く崖もあってまじで危ないから、教えた俺にも責任があるからめんどくさいけど俺もついてくわ。」ってなり、その先輩も一緒に男4人女2人で行く事になりました。

どうやらその場所は心霊的な面だけではなく、物理的にも非常に危険な場所だとその時知りました。

そうして車に6人乗り、その先輩の案内に従って山に入っていきました。途中ある浅い川も車で渡り、山の奥の方奥の方へとどんどんと車は進んでいきます。

川を渡った時点でここから先は車が走って良い道じゃないってのは、その時いた全員が察していたと思います。

街頭なんて一本もある訳がなく見事に真っ暗。そして山を登る過程で崖を車で走るのですが、30cmくらいハンドル操作を過ったら谷底へ真っ逆さまって道も結構ありました。(車が走って良い場所じゃないのでガードレールなんてありません。)

物理的に本当に怖かったのですが、その崖の所を走っているとトランス先輩が急に真剣な顔をしてこう言いだしました。

「ヤバイ、ハンドルが谷底の方に引っ張られる。ヤバイ。」っと。

最初100%嘘だと思いました。何故ならそのトランス先輩は助手席に好きな子がいるから、自分が話の中心になるよう嘘をついていると思ったからです。

ただ、道自体が本当に一切補装されてなくて目の前が崖ですから、ふざけて落ちるのだけは避けたかったので、私は後ろから前の席に身を乗り出し「いや、状況が状況だからそういう冗談はやめましょ。まじで運転に集中してください。危ないですって」っと真面目に言いました。

すると先輩は左のこめかみから汗を垂らしながらこう言いました。

トランス先輩「嘘じゃないんだって。しかも勝手に車が前に進むんだよ。足元見てみろよ!!!」って言ってきました。

(トランス先輩の乗ってる車はマニュアル車だったのですが、ここでマニュアル車の仕組みがわからない方の為に簡単に説明します。

マニュアル車はアクセル・ブレーキ・クラッチという3つのペダルがあり、クラッチを踏んだ状態ではどれだけアクセルを踏んでも車は前に一切進みません。ブオオンっとエンジンがうるさくなるだけです。)

そして私たちは今、山を上に上っているからもちろん上り坂。しかもものすごい足場が悪く、常に車は大きく揺られているほど。

そんな状況の中、トランス先輩に言われて足元を見たと同時にこう言われました。

トランス先輩「アクセル踏んでないんだよ!!しかもほら、クラッチ完全に踏んでるのにそれでも前に進む!ここ上り坂だぞ!」っと、トランス先輩も元々何かおかしいと察していたようで、左足でクラッチを思いっきり踏んでいて、右足は宙に浮かせてアクセルは踏んでいない所を見せてくれました。

するとその場所を教えてくれた先輩が少し大きい声を出してこう言いました。

「だから言ったじゃねーか。ここほんとシャレになんねーんだよ」っと。その時私はとんでもない所に来てしまったと少し後悔しました。

そうしてちょうどすぐ先が広場になっていたので、そのままそこに一回車を止めようとなり、広場の入り口に入ろうとした時、そこに立てかけてある立札を見て私はさらに怖くなりました。

立札には「霊場〇沼」っと書かれていました。(場所バレ懸念の為一部伏字にしています)

「いや、何よこれ。霊がいる場所ってなによこれ」そう思い戸惑いました。

しかし霊の存在を信じていない私は、元々言い出しっぺでもありその場所に来たいと強引に説得もしてますから、怖がってる姿を見せまいと、もう一人来ていたバイト先の男に向かって「小便したくね?」っと話しかけ、二人で車を降りる事にしました。

本当に辺りは真っ暗なので先輩は「何かあるかもしれないから見える所でしろ」っと言ってきました。

周りは街頭が一切なく完全に木に囲まれています。

そこでスタスタと少し車の横の奥の方に歩いてみると、どうやら高さ2mくらいの木で出来たトンネルのような所があり、かすかにあたる車のヘッドライトを頼りにその奥を見つめると、先が見えないくらい木で出来たトンネルはながーく奥に続いていました。

その入り口の前に立ち、バイト先の男と二人で立ち小便を始めた時、とある異変に二人とも同時に気づきました。

その木で出来たトンネルの先、距離にしてほんとザックリですが400mくらい先でしょうか。真っ暗なのに奥のほうが薄く青く全体的に光っているのです。

ありえない。完全に山の中で、そもそも夜に車で他に人なんて入ってこれるはずがない。

そして見た事もない綺麗な感じでハッキリとトンネルの奥が青く全体的に光っている。

それを見た私と横にいた男は物凄く怖くなり、すぐに車に戻り「ちょっとここ本当にまずいかもしれない。来たばっかだけど帰ろう」といってすぐに帰る事にしました。

その後は無事家に着き、事故なども無くその日は終わりました。

翌日。

その場所を教えてくれた先輩からこういう話を聞かされました。


実はあそこは龍の神様を祀(まつ)る場所で、一部の人たちは今でもたまに山の頂上まで行ってお参りをしているそう。そしてその時はみんな全身白装束に身を包んで行っているそうだ。

昔近くの高校である時、体育館で集会があった時に全校生徒がいる中で一人の女子高校生が急に頭がおかしくなった事があったんだ。

その女子高生は急に大きな声で「龍の〇〇〇〇〇龍〇〇」っとわけの分からない事を叫びだしたとか。一部「龍」という言葉だけは聞き取れたが他は一切聞き取れなかったみたい。

んでその女子高生はその場に倒れてそのまま亡くなったという事件は本当にあったんだよ。んで、その子の親があの山に定期的に白装束に身を包んでお参りする人たちの一人だとか。

具体的にはわからんが、あそこは本当に何かそういう力が働いているのかもな。


私は以前その先輩が霊場〇沼に昼間に行った時に、何があったんですか?っと訪ねた。

すると先輩は「もういいじゃねぇか。あそこの事はお互い忘れよ」っと言い、私も少し懲りたのでそれ以上追及はしませんでした。

それからその場所の事は私は心の中に過去の出来事としてそっとしまいました。

 



洒落怖くん洒落怖くん

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