【実話の怖い話】成仏させるつもりが憑りつかれた話

これは私が高校生の頃に体験した、身内を絡めた怖い話です。

私は軽音楽部に所属していて、顧問は２０代後半の女性の先生でした。部員は少なかったのでみんな先生と仲が良く、毎日がとても楽しい部活生活でした。

そんなある日、当番だった私は一人部活の掃除を日が落ちる少し前に終わらせて帰ろうとした時、顧問の先生が来て「あら、まだいたの？もう遅いから家まで送っていくよ」っと言ってくれ、先生の車で一緒に帰る事になりました。

その時私は怖い話にハマっていたので、話のネタでなんとなく先生に「先生って怖い体験したことあります？」っと聞くと、先生は「聞きたいの？結構怖いけど大丈夫？」っと盛り上げるかのような前置きをした後に話し始めました。

実は今実家に住んでいるんだけどね、その家はちょうど１０年前にお父さんが建ててくれた家なの。

そしてそこに引っ越してからは、一階の居間の隣にある和室で先生はたまに女の子の霊を見るの。服装は膝くらいの丈の赤い綺麗なスカートを履いていて、上はハッキリとは見えないんだけどキャラクター物の薄紫のシャツのような服を着ているの。

最初は怖かったけど何か悪さをするって感じでもなく、その女の子は黙って和室の中から居間の方を見ているだけ。

身の回りに何か悪い事が起きた事はないから、特に害はないだろうと思ってあまり気にしないようにしていたの。

最初はせっかく建てた家だからこんな話親にしない方が良いと思ってね、ずっと黙っていたんだけど、１年くらい経ってある日母と話している時に何となくその話をしたことがあったの。

すると先生の母はそれを聞いてパッっと思い出したかのようにこう言ったの。

「それはこの家を建てた大工さんの娘さんかもしれない。」っと言った後、少し考えた後に何度か一人で頷き「うん、間違いないと思う」って言ったの。

家を建てている時、母は何度か大工さんに飲み物を届けにいっていて、よく娘さんが遊びに来ていたみたいなの。それでハッキリ見覚えがあったみたい。

けどその大工さんの娘さんはこの家を建て終わる少し前に交通事故にあって亡くなってしまったみたいなの。それが原因で完成まで少し予定が伸びたしお葬式にも顔を出したから記憶にあったそう。

そして母は「これはその大工さんに教えた方が良いんじゃないか？きっと娘さん成仏出来てないんだよ」っと言い、後日その大工さんに連絡を取ろうと色々当たったみたいだけど、連絡が取れず、そうして今でもその女の子はたまに先生の家に現れるの。

そう先生から話を聞かされた時、私の心臓は飛び跳ねた。

何故かと言うと、その先生の家を建てた大工さんってきっと私の父で、その女の子の容姿は10年前交通事故で亡くなった私の妹が当時お気に入りの服装そのままだったからだ。

当時妹はお父さんの職場である建設中の家によく遊びに行っていたのも間違いない。

父は私の妹が亡くなった翌年、ショックから立ち直れなくてうつ病気味になりそのまま自殺してしまった。

私は絶対に間違いない、間違えちゃいけないと頭の中で再度繰り返した。

父は大工で妹は10年前に亡くなり、妹のお気に入りの服装も見事にその話に出てくる子と一緒。連絡が取れないのも翌年父が自殺をしたから。

妹が亡くなる直前もよくお父さんの職場に遊びに行っていた。絶対にその子は妹に間違いない。

妹はまだ成仏出来ずに最後訪れていた家にまだいるんだ・・・そこでお父さんが来るのを待っているんだ・・・そう考えたら苦しくて苦しくてなんとかしてあげたいと思った。

私は目に涙を浮かべながら先生に事情を話した。

すると先生も凄く驚いていたが、私が嘘をついている筈がないのは顔を見て察したよう。先生は自分の両親に事情を説明し、改めて日を設けてくれた。

後日その日に私と母は先生の家に行くはずだったのだが、母はどうしてもその日外せない仕事があり、改めてお邪魔させてもらうという事で当日は私一人でそこに行く事になった。

家に着くと先生とそのお母さんが招き入れてくれ、その妹の霊が出る和室に通してくれた。

そして先生とそのお母さんは私に気を使い「少し一人でここにいると良いよ。きっと妹さんも喜んでくれてるんじゃないかな」っといって和室で私を一人にさせてくれた。

私は一人和室の周りを見渡しながら妹に話しかけるように「ごめんね、ずっと気づかず一人にしていてごめんね」っと泣きながらいるかもしれない妹の霊に話しかけ続けた。

「もう一人じゃないから。一緒に帰ろう」っと言った時、後ろから急に人の気配がした。

私は振り返ると、そこには赤いスカートを履いて薄紫のキャラクター物と思われるシャツを着た、昔の姿のままの妹がそこには立っていた。

妹は全身黒いオーラのようなものに身を包まれ、それは見ただけでとてつもない負のオーラを一瞬で感じ取れるほどだった。

そして妹は私に向かってこう言った。

「モウハナサナイ・・・」

そういうとすぐにその妹の霊は消えていった。そしてそれから見事に先生の家では妹の霊は出なくなったそうだ。

きっと今は私に憑りついたんだと思います。

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洒落怖くん

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