【実話の怖い話】後味が悪すぎる呪いと音声データの話|編#007

これは不謹慎かもしれませんが、彼が生きた痕跡にもなって成仏に繋がってくれるかもという願いの元、ここに書かせて頂く事にしました。

俺の友人、高校時代仲良かった(A)が自殺した時のお話です。

その友人は見た目はちょっとイカツイ感じの奴で、女にはモテる事がなかったのですが男友達にはすごい好かれるタイプで、本当にいい奴でした。

俺は高校を卒業後北海道の大学に進学する事になり、その友人は地元の大学に行っため疎遠になっていました。

そして俺が大学3年になった時、疎遠だったAが自殺して亡くなったという事を人づてに聞かされました。

「あんなに明るくていい奴がどうして自殺なんか・・・」実際に葬式に行くまでは信じられませんでした。それくらい明るくて社交的でだれからも好かれるような奴だったんです。

葬式に行くと高校時代Aを通して共通の友人だったBとCもそこにはいました。

みんな別々の大学に行ったため、顔を合わせるのは3年ぶり。そしてみんな俺と同じくずっとAとは連絡を取っていないようでした。

俺とBとCは自殺した原因が何なのか知りたかったのですが、Aの親族はみな落ち込み、とてもそんな事を聞ける状況ではありませんでした。なので葬式に来ていた同じ年くらいの人たち数名を捕まえ当たる事にしました。

するとすぐにAと同じ大学に通っている人を見つけたので、そこで詳しく話を聞きく事にしました。

Aは大学ではどうだったのか?イジメられてたんじゃないか?亡くなる直前Aに変な所は無かったか、落ち込んでる所は見なかったか?などです。

するとそのAと同じ大学に通う人達も、俺たちとまったく一緒で一切心当たりがなく、前日まで普通に過ごしていたAが突然自殺したから、本当に戸惑っているとの事でした。

そうして一切何も分からず葬式を終え、俺を含めたBとCも各々が現在住む所へ帰っていきました。

それから半年くらい経ってからでしょうか。夜22時くらいに突然Bから電話が来たので出てみると、でるなり早々Bはこのように言ってきました

B「ちょっと落ち着いて聞いてほしい」

俺「おう、どうした?」

B「今A(自殺した友人)から電話があった・・・」

俺「おいふざけんなよ。そんな冗談言うなんて不謹慎にもほどがあるぞ!」

B「ち、違うんだって。本当なんだって!い、今たまたまCと一緒に飯食ってたんだけどさ、ほ、本当なんだって!!」

電話の声を聞いてもどうやら嘘をついているような感じがしなく、俺は一気に鳥肌が立った。そして続けてBがこういった。

B「俺に電話がかかってきた後、怖くて出なかったらその後すぐにCにもAの携帯から電話がかかって来たんだって!」

俺「それでCは電話に出たのか?」

B「二人とも怖くて出る事が出来なかったんだよ。そして気になったから俺、え、Aの携帯にかけなおしたんだよ。そ、そしたらあいつ電話に出たんだよ・・・」

俺「そんなわけないだろ。んで誰が出たんだよ?」

B「Aが・・・Aが出た・・・お前も電話かけてみろよ!」

俺「100歩譲ってもしそうだったとする。そこでAはなんて言ってた?」

B「・・・・・・だめだ言えない。。。。頼むからお前もかけてみてくれ」

俺「なんで言えないのよ!」

B「俺の口からは言えない。頼む!」

そういった後Bは絶対に自分の口からは言おうとせず、俺は「わかった」っと言って電話を切った。

BもCも、Aが亡くなった後も俺と一緒で電話番号は消さずにいたんだなって思うと少し友達の繋がりを感じた。




そしてBとの電話を切って少しためらっていた頃、すぐに携帯から着信の音が鳴りだした。

またBか?っと思い見てみると、なんと電話の相手は自殺して亡くなった筈のAからだった。あまりにも信じられない出来事に俺は固まり、怖くなってAからの電話をすぐには出る事は出来なかった。

着信が7~8回鳴った所で電話は切れ、その瞬間俺は一瞬冷静さを取り戻した。

「もしかしてAの親か!?なんか俺たちに聞きたい事でもあるのかな?」っと。しかしすぐにBの言う事を思い出した。Bは「Aが電話に出た」っと間違いなく言っていた。

少し怖かったが俺は今電話来たばかりのAの携帯にかける事にした。

着信音が3回4回と回数を重ねるごとに、少しずつ「俺は何をやってるんだ」っと後悔しだした。

そう思った直後、相手が電話に出た。

俺は恐る恐る「も、もしもし?」っと言うと、そこからは間違いなくAの声でこう言ってきた。(後半ノイズ混じりで)

A「これから死にますね・・・・これは絶対消すなよおお!!!!呪ってやる呪ってやる呪ってやるうおおおおおおおおあああガッあああああああああガッあああああああああああガガッああああああああああガッあああああああああ絶対にガッゆるさないいいいいいいあああガッあああガッいいいいいいいいガッいい」

それを聞いた俺は思わず携帯をぶん投げた。そして恐怖のあまり全身から変な汗が噴き出した。あれは明らかにAの声。そしてAは誰かを怨みながら自殺したんだっと確信した。

その後Bに電話して内容を伝えると、Bも俺とまったく同じ内容の電話だったと聞かされた。

そして話あった結果、俺とBとCはAの自殺の真相を解明すべく、再度Aの実家に行く事となった。

翌日早速3人はAの実家につくと、半年前に来た時と同じ家とは思えないほど荒れ果てていた。出窓のガラスは割れ、カーテンは破れており、玄関の扉も誰かがバットのような物で何回も殴ったような跡がある。

そんな状況を見て何があったのかと不安になり、俺たちはインターホンを鳴らしたが誰も出てくることはなかった。すると急にCが2階を指さし「あっ!おいB!今誰か部屋にいたぞ!」っと言い出したので2階を見ると、一瞬人影が見えたがすぐに隠れてしまった。

俺は「すいませんーん!」っと言った時、すぐにBの携帯が鳴りだした。Bはその携帯を手に取り画面を見たすぐ後、青ざめた顔で俺の方に携帯を差し出してきた。

B「A(自殺した友人)から電話来たんだけど・・・」

確認してみると本当にAから着信が来ている。Bに電話に出てくれとお願いしてBが電話に出ると、すぐにBは怯えながら携帯電話を放り投げた。

地面に置かれた携帯電話の受話器からは大きな声で叫び声が聞こえて来た。うっすら聞こえるその内容を聞いて俺とCは一瞬で察した。前にAから電話が来た時と同じ内容だと。

怖かったが少し冷静に考えると、まったく同じ内容の電話がこのタイミングで来るのは何か違和感を覚えた。

さっき一瞬2階から人影が見えたし、Cが大声で「おいB!」っと名前も言ったから、もしかしたら2階にいる人がAの電話から電話かけて来たんじゃないか?っと。

そうして少し考えていたら、突然Aの家の玄関が勢いよくバンッ!っと空いたと同時に、男がバットを持って叫びながら襲い掛かって来た。

「お前らが兄ちゃんを殺したんだあああ!!!」っと。

反射的に攻撃をかわし、俺たちは3人でその男を取り押さえた。しばらくそいつは暴れていたが、よく顔を見てみると葬式の時にみかけた弟だとすぐに気がついた。

弟の変わり果てた姿とこの家のありさまを見て、深刻な状態である事は一目瞭然だった。開いた玄関から見える家の中は、玄関と階段と廊下が少し見える程度だがそこだけでも中はめちゃくちゃで悲惨だった。

10分くらい落ち着くまで地面にうつぶせの状態でAの弟を押さえつつ、その間ずっと「俺たちはAの友人です!葬式の時にも来ました。落ち着いてください!」っとなだめ続けた。




やがて弟は体力が限界を迎えると同時に徐々に落ち着きを取り戻し、なんとか話を聞ける状態になったので話を聞くことになった。そこで弟はこのように教えてくれました。

まず最初に俺たちに電話が来た時にAの声がしたのは、あれはAが自殺をする前にパソコンに残していた音声データだという事。

母親はAが亡くなった後にその音声を発見し、悔やんでも悔やみきれず毎日その音声を聞き続け、やがて正気を失い3ケ月後に後追い自殺をした事。

葬式は来たが、父は前から離婚して家にはいない事。

Aと母を亡くした弟は、Aの携帯に登録されている番号全てにかけ、あの音声を流し原因となった犯人を見つけるべく復習のような事をしている事。

さっき一瞬2階にいるのがバレた時、Cが「おいB!」って言ってるのが聞こえたから、部屋からBに電話をかけてそこでも音声を流した事。

俺たちはまず最初に大きな誤解を解くため、三人は必死に「Aとは高校時代本当に仲が良かった」という事を必死になって伝えたが、そこだけは中々信用してもらえなかった。それだけ弟の意志は固かった。

生前俺たちと仲が良かったというメールがもしかしたら残ってるかもしれないと思い、メールの履歴を見てくれと弟に懇願した。

大学に入ってから3年近く連絡は取ってないから、かなり大量に入るメールボックスももしかしたら上限に達して自動削除されているかもしれないという頭はあった。

しかしAは高校卒業後メールの回数は極端に少なかったらしく、高校卒業の数か月前からのメールの履歴が残っていた。

弟は携帯と俺たちの方を交互に見ながら「Aって誰。Bは?Cは?」っと順にメールの内容を確認しながら俺たちと照合し始めた。




そこで一緒に画面を見ていた俺が「あっ、これも俺とのやりとりです!」っと言って次々メールを見ていったが、内容はどれも

「大学行っても定期的にBとCとみんなで集まって遊ぼうぜ!」とか明らかに仲が良い友人同士がするメールが沢山残されていた。

それらを一通り見た弟は心底納得してくれ、その場でわんわんと泣きながらしゃがみこみ「兄ちゃんはあなた達をきっと恨んでいません」っと言い誤解はなんとか解けた。

その後俺たちはAの携帯を弟に了承してもらった上でメールを一通り見たが、一切自殺の原因と考えられるような内容は見つからなかった。ただ友達はあまり多くなかったようだ。

Aは誰を恨んで自殺したのか。誰に苦しめられていたのか。あの音声データには強い怨みが込められているのは明白だが、真相は未だに闇の中。

その後弟は父と一緒に住む事になり、Aが住んでいた家は引き払ったそうです。

後日談

高校時代よくA(自殺した友人)から、両親が仲が良くないという話は聞いていました。早く離婚してくれないかなーとか言っていたこともあります。

後、たまに母の事をすこーしだけ聞いた事がありますが、あまり母との関係も良くない感じでした。ただ詳しくは聞かされていません。

家庭内の事は考えたくない部分も正直ありますが、もしかしたら自殺の原因は身内にあるのかもしれません。わかりませんがその可能性は0ではないとも思っています。



洒落怖くん洒落怖くん

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