【実話の怖い話】6才の娘が行った交霊術

これは俺が10年前の大学3年生の頃から、つい先日にかけて起きた体験であり実話です。

当時大学生だった俺はよく仲の良い友人4人で遊んでいました。(名前はA,B,Cとします。)そして共通の知人女性(同じ大学)には、自分には霊感があるという自称霊能力者?のような女がいました。

 

俺たちはみんな幽霊とかを信じるタイプではないですから、自分を含めた4人はその女の事を一切信用していませんでした。

大学のサークルの飲み会なんかでその女と一緒になる事があったのですが、そいつは話の中心的存在になりたいのか「幽霊がそこに見える」とかたまに言い出すんですよ。

 

若いし酒も入ってるからその場は盛り上がったりしていたんですが、その女がそういう事を言い出す度に胡散臭くて俺たちはよく笑うのを我慢していました。

そんなある日、友人の一人のBが「あの嘘つき女さ、俺たちで一回ハメてみない?」っと言い出しました。黙って聞いてみると、そのBの作戦はこうだ。

1:誰かが偽の呪物みたいな物をでっちあげて用意する

2:その自称霊能力者の女がいる時にその偽物の呪物を見せる

これでそいつどんな反応するか面白そうじゃね!?笑

 

そういうと異論を挟む物はその場にいるはずもなく、満場一致で即みんなその作戦に乗る事にした。

するとAが「じゃぁ俺がその呪物作るよ!」って言いだした。このAという男は趣味でアクセサリーなどを作っていたりしていて、手先が器用なので呪物担当はそのAにお願いする事になった。

するとすぐに「じゃぁその呪物を女に渡すのは俺がやる!」って作戦の考案者のBが名乗りを上げた。

そんなある日、俺とCは何気なく昼飯を食べようと大学の食堂に行った時、そこに自称霊能力者女がいるのを発見した。

 

これはチャンス!って思い、俺とCはその女の席にいき、一緒に昼食を食べる事にした。(その時女は一人だった。普段誰かと一緒にいる所はあまり見なく大抵は一人。だから注目集めるために嘘ついてるんだろって俺たちも思っていた)

 

3人で昼食を食べている時、Cはおもむろに口を開きだした。

C「そういえば知ってる?Bの住んでる実家って武家屋敷だったんだよ」(コレは本当である。武家屋敷とは江戸時代にいかにもありそうな立派な家で、Bの家には蔵とかもあった。)

俺は今初めて聞いたかのような口ぶりで「へぇ~、そうだったんだ!蔵とかに古い骨とう品とかでもあるのかな?呪われた物とかもあったりして。」なんて情報をその女に植え付けた。

俺たちはあまりやりすぎて感づかれたらまずいと、作戦はなんとしても成功させたかったからその程度でその時は我慢しておいた。

後日、偽の呪物担当のAがニコニコしながら大学にやってきた。

 

A「例の物出来たぞ笑 暇だったから完全自作で作っちゃいました♪」 そういうとリュックからいかにも100年くらい前からありそうな小汚い小箱が出て来た。

それを見た全員は「お前ほんとすげーな!これ絶対騙されるだろ!笑」って盛り上がった。

C「ちょうど明日サークルの集まりがあるから、その後その女を連れて5人でファミレスでも行こうよ!」

Cがそういうと、Aが「んじゃこれBに預けとくわ」って言ってBはそれを受け取り、すぐにその箱を開けようとしたが、それを阻止する格好でAがこういった。

A「あっ、開けないで!その時のお楽しみって事で笑」っと何やら面白そうな事を仕込んでいるらしい。

 

そうして翌日、俺たちはサークルの集まりの後、一人で帰ろうとするその女にさりげなく「飯行くけど一緒にくるか?」ってあえて素っ気なくかる~く誘うと、その女は最初少し考えたが「行こっかな」っと言って付いてくることになった。

そしてファミレスの席に着き、一通り食事を終えた途端にBが「そういえばさ!」って切り出した。

「待ってました!」っと言わんばかりに食べ終わった瞬間に言ってきたし、あまりの下手糞な演技に俺は吹き出しそうになったが、必死で笑うのをこらえ咳払いでなんとかごまかした。

そして口を開けば笑ってしまいそうなので、俺は一言も発さず進行はBに任せる事にした。

B「この前実家帰ったらさ、蔵にこんなのがあったんだよ!面白そうだから持ってきちゃった」っと言うなりバッグからAが作った小汚い小箱を出すと、見事にそれに自称霊能力者女は食いついた。

 

目を思いっきり見開いて突如こう言いだしたのである。

 

女「なんて物持ってきたの!あなたそれがなんだか知ってる!?」っと。

俺とCはその顔と剣幕を見て本当に吹き出しそうになり、二人とも少し下を向いて、笑うのをこらえるのが精一杯でプルプル震えていた。

それはBも一緒だったようで、あまり引き延ばすと笑ってしまうからBは必死にこらえながら「どしたの!?ただの箱だよ?」っと言い、

Bは「これ中に何入ってるか見てみようぜ!」っと言い出してその箱を開けようとした。

 

するとその女はBの手をグッっと抑えて「だめぇ~!」って言いだした。

 

その声を聞いた時、笑うのをごまかすために少し前に水を飲み始めた俺は、もうハッキリ言うと、吹き出した。しかも盛大に。するとAもCもつられて我慢できなくなったのか、下を向きながら肩を大きく揺らし、声は出さずとも笑っているのがバレバレだった。

 

そこで女の手を軽く振りほどき、ニヤニヤしながらBがその箱を開けようとした。

B「あれ?あかねーぞ!」って言いながら四苦八苦している姿を見て、その偽の呪物が入った箱を作ったAも「あれ?おかしいな?」って顔をしていた。

その間も必死で女はBに手を伸ばし「本当にダメなんだって!!」ってエスカレートしている。

 

Bはさらに「うおおおお!」って言いながら力を込めだし、強引に箱をあけようとしたその時、突然後ろから髪が長めでヒゲを生やした男がBの肩に手をかけてこう言い放った。

男「この箱要らないでしょ?俺もらってくね」って言ってヒュイっとBから取り上げ、そのままスタスタ~っと店から出ていってしまった。俺たち4人と女はあまりの一瞬の出来事に固まっていた。

B「えっ?今の誰???」ってなっていたが、聞きたいのはこっちの方だった。

 

あっという間にその男は行ってしまい、俺たちはただただ茫然としていた。すると少し落ち着きを取り戻した頃、自称霊能力者女は俺たちに「助かったわねあんた達」っと言ってすぐに店を出ていった。

その言葉にも俺は少し笑いかけたが、出来事が出来事なので「えっ?あの男なんなの?誰?」ってみんな頭の中「???」だった。

そうして数日が経った頃、俺は大学から家に帰ると、玄関の前に同じ大学に通う1年の弟と、あの時箱を取り上げた男がそこに立っていた。

 

二人の前に立つなり弟はその男を俺に紹介してきた。どうやら同じ大学に通う人らしく、俺は事前にあの時のドッキリの事を弟に話していたせいか、大学で弟と男がつながり、ここへ案内したそうだ。

弟が説明するに、その男は沖縄出身で身内にはユタもいると言っていた。(ユタとは沖縄では有名で、強い力を持った霊能力者?のような人たちの事を言うらしい)

そして簡単な紹介を受けた後、男は俺にこう言ってきた。

 

男「もう二度とあんなの作らない方が良いですよ。今あなたを見て、やはりあの箱を作ったのはあなたじゃなく、あの時箱を持っていた隣に座っていた人(A)だと確信しましたが、絶対にもう作ってはいけない」っと。

そして続けて男はこのように教えてくれた。




あの箱を作った人間は無意識の内にそういう危険な物を作ってしまう人間である事。そして本人にその気が無くても、その人の先祖は祟りやで、その血を引いているから自然と危険な物が出来てしまう事。

作っている内に何らかの悪意・怨みなどがあの箱に入ってしまい、たとえそれが偽物であっても本物と同じような効果が出てしまう事。

 

それを聞いた時、俺は何となく納得がいった。なぜならあの箱を作ったAは昔、自称霊能力者女のせいで大好きだった彼女と別れたってBから聞いた事があったからだ。

そうして一通り帰ると、俺は弟に男の正体を聞いた。すると弟は男に言われた事を交えながらこのように教えてくれた。

1:沖縄出身でユタの末裔なのは弟も知っていた

2:Aは祟りやの末裔

3:あいつは普段は静かで何も言わず大人しいが、本当にやばい時だけは動く

っとの事。

 

そうしてその後は特に何も起きなく大学生活を送った。自称霊能力者女も俺たちを警戒しているのか、その日以来一切俺たちに近づこうとはしなかった。

こんな出来事が実はかれこれ10年くらい前にあったんだけど、どうしていまさらこの話をする事になったのかというと、実はあの時偽の呪物が入った箱を作ったAは先日亡くなったんだよね。

死因は不明で、噂によると母親がいつまで経っても出てこない息子を心配して部屋を見にいったら、そこではAが体中真っ白くなって眼球が飛び出した状態で死んでいたとか。

明らかに普通の死に方じゃないのは周りの人の話を聞いてもどうやら間違いないようで、解剖の結果死因も不明との事。

 

そしてここからは俺の推測なんだが、もしかしてあの大学時代の出来事がキッカケかなんか知らんが、Aは気づいちゃったんじゃないかな。自分が人を呪ったりする力がある事を。

だからその呪いが自分に返って来たのではって、ちょっと思う。

後、あの時の自称霊能力者女は、実は本当にその力があったのかもしれないって今になって思う。それくらいあの箱を見た時の彼女の剣幕は凄かった。



洒落怖くん洒落怖くん

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