【事故物件で起きた実話の怖い話】6才の娘が行った交霊術

私は6歳になる娘と夫の3人暮らしをしております。これは人生の中でたった一度だけなのですが、生きた心地がしなかったほどの恐怖体験をしましたので、お話したいと思います。

事の発端は去年引っ越しをする所から始まりました。以前までは東京に住んでいたのですが、夫の転勤で静岡の方に引っ越す事が決まり、家賃が安い物件を探していた事がキッカケでした。

 

ある日、一軒家で4部屋あり、家賃は8万ととても安い物件を見事探し当てる事が出来ました。後日母の実家に娘を預け、私と夫はその物件を見に行く事になりました。

家の中はやはり家賃が安いという事もあって結構古びてはいました。しかし我が家にはお金に余裕もなく、これから娘の学費などにも出費がかさんできます。

 

わがままは言えないので、特に問題はないだろうと思いその家にすんなり決める事になりました。




引っ越しが決まってからは出来るだけ不用品を捨て、引っ越すにあたって家具などは新調したかったのですが、どうしても新品で買う余裕はありません。

なので私は、出来るだけ安く済ませる為にフリマアプリから必要な家具や雑貨などを中古で揃えていました。

古びた家でも内装は少しでもオシャレにしたいです。

お手軽に内装を飾るなら、間接照明にはせめてこだわりたいと思い色々と見ていたのですが、やはり欲しいメーカーの物は中古でも値段が高く、中々手が出ませんでした。

 

そうして日々フリマアプリなどでチェックしていたある日。なんと私が欲しかったメーカーの関節照明が相場の半額以下で売られているのを発見しました。

それを見て思わず飛びついて買っちゃいそうでした。しかし、入札はまだ一件も入っていないのが気になったので、私は商品の説明欄をくまなくチェックしました。

壊れていないか?送料が異常に高いんじゃないか?などなどです。

説明欄を隅々までチェックしても、不審な点は一切ありませんでした。(相場の半額以下という破格にも関わらず、入札が一つも無いという点以外は。)

 

これは間違いなく買うべきだ。

そう決心し、私は即決ボタンを押してその関節照明を無事購入する事が出来ました。

それから無事引っ越しが済み、いまかいまかと待ちわびた破格の間接照明もそこから二日後には到着しました。

配送屋さんから荷物を受け取ってみると、届いた商品を見て、私は一つ気になった事がありました。

それは梱包が厳重すぎる事です。

デリケートな商品ですから、梱包がしっかりされているにこしたことはありません。しかしそれでもその時されていた梱包は、中々開けられない程頑丈に、何重にも何重にも梱包されていました。

開封していて私は思わず、これじゃ封印じゃん!って思ってしまうほど。

 

あまりにも価格が安かったから、もしかしたら物価の安い国から送られてきた逆輸入品だったのかな?っとも思いました。ですが品質に問題が無ければそれで良いので、その時はそれ以上気にする事はありませんでした。

何とか梱包を解き購入した関節照明を見てみると、とくに傷もついていなく極めて良品だったので、私は凄く喜びました。

そしてその時購入した関節照明は、設定すると音に反応して、ライトのON/OFFが可能なのです。

その日の夜。

部屋の電気を消して6歳の娘を呼び、

「これ見て!手を叩くと電気付くんだよ!」って教えると、娘は最初「どうして電気が付くの?」って凄い不思議そうな顔をしていました。

しかし仕組みを理解してからはすぐに気に入ってくれ、しばらくは子供の遊び道具になっていました。

娘は楽しそうに手をパンパンっと叩いて、電気を付けたり消したりしていました。

 

そうして翌日も、娘は夜になると

「お母さん他の電気消して!」っと私に言ってきます。私は言われた通り居間の電気などを全て消し、娘はその関節照明に向かって手をパンパンっと叩いて遊んでいます。

関節照明は設置型で高さは1メートルくらい。その明かりを目の前で見上げながら照明の前に立ち、手を叩いている娘の姿を見て私は可愛く思い

「まぁ少ししたら飽きるか。好きにさせておこう」

そう思い私はボケーっとスマホを見て少しの間娘を好きにさせていました。

その間も娘は関節照明に向かって上を見上げ、手をパンパンっと叩いています。それに反応して真っ暗な部屋の中で薄明りの電気を付けては消し。消しては付けを繰り返していました。

それから数分経った頃でしょうか。

そろそろ晩御飯の準備をしないと夫が帰ってきますから、私は娘に向かって

「もう終わりだよ!」って言いました。

 

しかし娘は一切私の方を見ず、返事所か私に対して一切反応をしてくれません。

ただ黙って関節照明を見上げながらずっと手をパンパンと叩き、部屋は明るくなっては暗くなりを繰り返しています。




私は言う事を聞かない娘に対し、怒るという事はしたくなかったので少し娘の後姿を見ながら困っていました。

手を叩く音「パンパン」

「パンパン」

娘の後姿が一瞬見えては消え、一瞬見えてはまた暗くなって消えています。

そうして娘が立っている先に出窓があるのですが、私はカーテンを閉め忘れていた事に気が付き、そのカーテンを閉めに行こうとしました。

「パンパン」

「パンパン」

娘がまだ手を叩いている中、私が出窓のカーテンに手をかけた時。

「パンッ」

娘の手の叩く音と同時に。

光ったライトに照らされるよう、出窓の前に立って家の中を見つめて来る、落ち武者のような人たちの姿が突然現れました。

数にして10人くらいはいたと思います。

 

顔は皆真っ白く、それぞれはそれぞれの視点で家の中をただ立って見ています。

私は一瞬にして大きな悲鳴を上げ、完全に腰を抜かしました。

「パンパン」

そう娘がライトを消してから付けた時。

目の前には誰もいない、ただ庭が見えるだけの光景に戻りました。

急いで娘を抱き寄せましたが、その時娘は完全にボーッとしていた状態で手を叩いていたようでした。

今のはなんだったんだ。

ずっとバクバクと音を鳴らす心臓が止まない。

私は必死に「気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ気のせいだ」

そう自分に言い聞かせました。

そこから1時間くらい経ってからでしょうか。夫が帰ってくるなり私の顔を見て「どうしたのその顔!?なにかあったの?」っと驚いていました。

それもそうです。あんな「者」を目の前で見たら冷静でいられる筈がありません。

しかし私は引っ越してきてまだ3日目で、これからここで頑張っていかなきゃいけないっという思いから、先ほどの出来事は夫には黙っておくことにしました。

 

翌日。

昨日の出来事は必死になって忘れようとしていましたが、どうしても頭から離れません。

そして実は家を借りる時、頭の片隅では少しは予感はしてたんです。この家が事故物件なんじゃないかと。価格が安すぎるんです。

ただ、事故物件で幽霊が出るとかって良くある話ですが、まさか自分が・・・

「いや、違う!気のせいだ。」

そう頭の中で切り替える事にしました。

日が完全に落ちて来た頃。

 

娘がまた「お母さん部屋の電気消して」っと言ってきました。

どうやらまた関節照明で遊びたいようです。

 

私は昨日の事があったから最初は「ダメ」っと言いました。しかし6歳の子供なんて基本親の言う事を聞かないものですから、それはもうダダをこねてきました。

あまりにもしつこいので、

私は出窓のカーテンを先に閉め

「これで大丈夫」

そう自分を安心させるかのように、静かな声で自分に言いました。

そして娘が希望するようにまた部屋の電気を消してあげる事にしました。

「パンパン」

娘が手を叩く音に合わせ、また部屋が薄く照らされては暗くなり、暗くなっては薄く照らされを繰り返しています。

私は心の中で「カーテン閉めたし、何より昨日のは気のせいだから大丈夫」って自分を必死に勇気づけました。

そしてその時の私の選択には、実はこんな思惑もありました。

それは、また昨日と同じような状況になってもきっと何もないだろうから、やっぱり昨日のは見間違いだったんだ。そう思えるようにしたかったのです。

「パンパン」

「パンパン」

(ほら何も起きない!」

「パンパン」

「パンパン」

「パン」っと叩いて部屋が照らされた時、関節照明の所に昨日現われた落ち武者のような格好をした男たちがまた一瞬にして現れました。

それを見た私はおおきく悲鳴を上げたと同時に、その後気を失ってしまったのか、帰って来た夫に起こされるまでその場で倒れてしまっていたようです。

私を心配してきた夫に、泣きながら昨日と今日あった出来事を必死に伝えました。

 

そんな事言われても信じられないのが普通ですが、私の泣きじゃくる姿を見て、やがて夫は信じてくれました。

ただ、そんな事があっても、引っ越した4日目にいきなりまた家を探すなんて事、金銭的にかなり難しいのが現実。

そこで夫が私にこう言いました。

「二日続けてまったく同じ状況でそういう体験をしたんだよね。ならもしかしたら家じゃなく、その関節照明が原因の可能性もあるよね。だからまず最初にその関節照明を捨ててみない?」っと。

そういわれた時、私はハッっと気づきました。

あの関節照明は相場の半額以下で売られており、価格設定がおかしいのは明らかだった。

そして送られてきた時の梱包のされ方が、まるで封印みたいに頑丈に包まれ、今思えば様子もどこかおかしかった。

もしかしたらこの関節照明が原因かもと私も思うようになり、夫と一緒にすぐにその関節照明を捨てる事にしました。

関節照明を捨てたその翌日以降はと言うと、あのような体験は二度とおきなく、今では無事平穏に暮らす事が出来るようになりました。

 

そしてつい先日、久しぶりに会う昔からの友人とお茶をする機会がありました。

その友人は生まれつき霊感が強く、私はあの話も聞いてもらいたかったという思いもありました。

その友人は私の体験した話しを聞くなり、こう言ってきました。

 

「残念な話だけど、正直に言うね。その幽霊は関節照明に憑いてるんじゃなく、あなたの家に憑いている霊だよ。」

「でも安心して。害は無いから。」

「ただ問題だったのはその関節照明だと思う」

「直接見てないからわからないけど、きっと何かの力が宿っていたのかもしれない。」

「ただ一番問題だったと思うのは、娘さんの行為自体にあると思う」

「手をパンパンと叩き続け、電気を付けたり消したりを繰り返す一定の行為が、交霊術のように作用してしまったんだとおもう。」

そう教えてくれました。

 

私はあの関節照明を捨ててからというもの、霊を一度も見ていないのでもういなくなったと安心していたのですが、それを聞いて少し落ち込みました。

普段身近にある物で、不本意ながらも交霊術のような作用が働き、霊が現われ身の危険が及ぶ事って意外とあるんだそうです。

電気を無駄にパチパチ付けたり消したりする際はお気を付けください。



洒落怖くん洒落怖くん

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